氷見高ウニ養殖再始動 海洋科学科の3年生6人、商品化目指す 地震で断念、先輩の分まで

中木教諭(右)の指導でウニの養殖を再開した氷見高生=氷見市姿の富山県栽培漁業センター

  ●磯焼け防止プロジェクト

 氷見高海洋科学科の3年生6人が17日までに、藻場が荒れる「磯焼け」を防ぐウニの養殖プロジェクトを再開した。昨年度の卒業生が養殖ウニの商品化に取り組んでいたが、能登半島地震で施設の一部が損壊し、計画を断念していた。6人は先輩の思いを受け継ぎ、果たせなかった「夢」の実現へ意欲を見せている。

 養殖は10日から再開した。生徒らは中木康晴教諭の指導で氷見の沿岸でウニを採取し、氷見市姿の富山県栽培漁業センターの実習室で養殖を始めた。規格外のコマツナやミニトマトなどの廃棄野菜、コンブなどの餌をやって7月下旬までウニを育て、身を取って加工品の開発を目指す。

 同校は2022年度から、海藻を食い荒らすウニを採取して養殖する実証実験を始めた。23年度は昆布締めを提供する高岡市内の料理店と連携し、昨年9月からウニの商品化を目指していたが、元日の地震で取水ポンプが破損し水をくみ上げることができなくなり、やむなく養殖ウニを廃棄せざるを得なくなった。

 このため、取り組んでいた海洋科学科の9人は商品化を果たせないまま、3月に卒業。4月から3年生となった6人は先輩の分までプロジェクトを成功させようと養殖を再開させた。

 中木教諭によると、地震の影響もあって採取するウニの数が少なく、現在は約200個で養殖を再開し、徐々に数を増やしていく予定にしている。海洋科学科3年の岩﨑凪一(なぎと)さん(17)は「先輩が実現できなかった商品化を僕たちで成功させたい」と意気込みを語った。

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