芳根京子、俳優デビューとなった木曜劇場でヒロインに「勝手ながらも『ただいま』という気持ち」──「Re:リベンジ-欲望の果てに-」インタビュー

赤楚衛二さん主演の木曜劇場「Re:リベンジ-欲望の果てに-」(フジテレビ系)がついにスタート。本作は、巨大病院で巻き起こる権力争いをきっかけに、さまざまな事件が起こり、登場人物たちの“野心”と“復讐(ふくしゅう)心”が入り乱れ、人間の内に秘めた“欲望”がむき出しになっていくリベンジサスペンスです。

主人公・天堂海斗(赤楚)は「天堂記念病院」の理事長である父親が事件に巻き込まれたことをきっかけに、巨大病院の権力争いと闘うことを決意。初回放送では、海斗自身も何者かに襲われてしまうという驚きの展開となりました。

そんな海斗の恋人であり、「天堂記念病院」の看護師・朝比奈陽月を演じるのは芳根京子さん。11年前の木曜劇場「ラスト♡シンデレラ」で俳優デビューを果たし、同じ枠でヒロインとして帰ってきた芳根さんに、本作への思いや再共演となった赤楚さんとの撮影エピソードなどを伺いました。

──“リベンジサスペンス”という本作のテーマについてどう捉えられましたか?

「自分と同年代の若者が権力者に立ち向かうというストーリーに魅力を感じました。海斗はもちろん、私が演じる陽月もいろんなものを抱えながら生きています。やりがいがある役柄だろうなと楽しみに感じました」

──木曜劇場でのドラマデビューから11年後、あらためて同じ枠にヒロインとして帰ってきた心境をお聞かせください。

「まさか自分がヒロインという立場で木曜劇場に帰ってこられるなんて、11年前は想像もしていなかったです。当時はまだ何も経験がなく、逆に怖いものがなかった時期なので、こうやって今振り返ると、あらためてうれしさがこみ上げてきますね。当時のスタッフの方とお会いする機会もあって、お会いすると勝手ながらも『ただいま』という気持ちになっています」

──木曜劇場という枠にも、特別な思いがありますか?

「当時はドラマに出られること自体がうれしかったので、すごく思い入れはあります。同じ枠に帰ってこられたことで、これまで自分がやってきたことが大きくは間違っていなかったと自信が持てましたし、当時からちゃんと一歩ずつ前に進めていることが実感できてうれしいです」

──看護師役は初めてとのことですが、難しさは感じていらっしゃいますか?

「覚える動作が多くて大変です。動きながらセリフも言わなければいけないので難しいですが、その難しさが逆に燃えますね。頭を使いながらお芝居をする瞬間がたくさんあるので、自分の身になっていくのが楽しいです。見ている方に動作が不慣れだと思われないよう、テキパキ動くことを意識しています」

──本作は“復讐”や“権力争い”などダークな内容ですが、撮影現場の雰囲気はいかがでしょうか?

「内容が重くてつらいシーンも多いので、とにかく現場は『みんなで明るくしよう!』という思いが強くて。本当にいつも笑いの絶えない明るい雰囲気です。作品のテイストからは考えられないような、すごく活気のある現場になっています」

──特に撮影現場で楽しみにしていることがあれば教えてください。

「妹(美咲)役の白山乃愛ちゃんが本当にかわいくて! いつもパズルとかで遊んでいます。むしろ私が遊んでもらっているかもしれないです(笑)。私自身、陽月の影響をすごく受けていて、皆さんとたわいのないことをお話して笑っているだけでもすごく幸せで。陽月のおかげで、小さい幸せを日々感じながら撮影ができています」

──主演の赤楚さんとは「表参道高校合唱部!」(TBS系)以来、9年ぶりの共演とのことですが、あらためて印象をお伺いしたいです。

「9年前はまだ18歳で、しかも初めての連続ドラマの主演だったので、右も左も分からない状況でした。毎日の撮影や歌練習に必死すぎて、日々のことをあまり覚えていないんです。人見知りなので、当時は赤楚さんとも全然お話をしていなくて…」

──今回は恋人役という近い存在での共演となります。

「お芝居ではいいキャッチボールができていると感じる瞬間がたくさんありますし、今回はしっかりとコミュニケーションも取れています(笑)」

──最近ではどんなお話をされましたか?

「私も赤楚さんもサウナが好きなので、空き時間の話題はサウナですね。『ここのサウナのご飯がおいしいよ』とか『何度のサウナに入るんですか?』とか(笑)。もちろん、大変なシーンの撮影前はそれぞれが集中する時間も作りますが、気持ち的に余裕がある日は、他のキャストの方を含めて常にお話しています」

──いい距離感でお芝居ができているのですね。

「この前、赤楚さんに『同い年くらいだと思っていたけど、年下なんだ!?』と驚かれたんです(笑)。それくらい気楽にお話できていることがうれしいですし、海斗という役は本当に大変だと思うので、支え合って最後まで走り切れたらいいなと思います」

──陽月にとってもう1人のキーマンとなる、大友郁弥役・錦戸亮さんの印象はいかがでしょうか?

「錦戸さんは、以前バラエティー番組で共演させていただいたことがあります。『ご無沙汰しています』とあいさつをしたら『覚えているよ』と言ってくださって。初めてお会いしたのは20歳くらいの頃だったので、覚えていてくださったことがすごくうれしかったです。お芝居の現場でご一緒させてもらうのは初めてなので、楽しみですね」

──陽月は、海斗と郁弥という2人の男性の間で揺れ動きますが、それぞれどういった部分にひかれていると思いますか?

「海斗と一緒にいる時の陽月は、ありのままでいられている気がします。素直な海斗だからこそ、陽月も素直になれるので、海斗と一緒にいる自分のことを好きでいられるんですよね。心から安心できているんだなと撮影をしながら感じています」

──一方、郁弥は海斗とは全く違うキャラクターです。

「郁弥さんは大人の魅力がありますよね。大変な状況の時にどしっと支えてくれるので、陽月も甘えてしまいたい気持ちになるんだと思います。海斗と郁弥さんとでは、得る安心感の種類が違う気がします」

──特に、郁弥はミステリアスでつかめないキャラクターですよね。

「多分、どういう状況に置かれていて、何を考えているのかが一番分からないキャラクターだと思います。謎なことが多い郁弥さんのことも、物語が進むにつれてどんどん明らかになっていくので、皆さんもふに落ちていただけたらうれしいです」

──陽月は、恋人である海斗がいきなり目の前から消えてしまいますが、もしご自身が同じ状況になったとしたら、どういった行動に出ると思いますか?

「自分の気持ちに整理がつくまでは、ずっと連絡しますね。なんとか情報を集めようと必死になるけど、どこかで区切りをつけなければいけない時がくると思うので、自分にできることは最大限やってから諦められる環境を作ると思います」

──きっと、陽月も同じような行動をしたのかなと…。そして、やっと諦めがついたと思ったら目の前に恋人が再び現れます。

「どうしましょう!?(笑)。海斗が帰ってきた時には、ちょうど新たな一歩を踏み出そうとしているタイミングだったので、急に現れた海斗に対して『なんで今?』と戸惑いますよね。恋人がいなくなったからといって、すぐに切り替えられるわけではないし、つらいながらも自分の中でお別れを決意して次に進んでいたからこそ、海斗に対しての陽月の態度や言葉というのはすごくくみ取りやすかったです」

──本作のテーマの一つでもある“欲望”にちなんで、今の“欲望”を教えてください。

「今はとにかく“この作品を最高に仕上げること”です。欲望と聞くと、少しネガティブな印象を受けるかもしれませんが、陽月を見ていると、欲望があるからこそ強くなることもあるんだという刺激をもらえるんです。あとは小さい欲望を言うと、毎日仕事をやり切って、家に帰ってビールを飲むこと!(笑)。それを毎日続けられたら幸せです」

──最後に、視聴者の方にメッセージをお願いします!

「今後、海斗や郁弥、陽月も乗り越えなければいけない壁がたくさん出てきます。怒濤(どとう)の展開が続いて皆さんを飽きさせません。情報量も多くてスピード感もあるので、1話だけでも見逃すとついていくのが大変です。TVerが大活躍すると思います!(笑)」

【プロフィール】

芳根京子(よしね きょうこ)
1997年2月28日生まれ。東京都出身。近年の主な出演作は、日曜劇場「オールドルーキー」(TBS系)、「それってパクリじゃないですか?」、NTV開局70周年スペシャルドラマ「テレビ報道記者-ニュースをつないだ女たち」(ともに日本テレビ系)、映画「カラオケ行こ!」など多数。

【番組情報】

「Re:リベンジ-欲望の果てに-」
フジテレビ系
木曜 午後10:00~10:54
TVer見逃し配信中!https://tver.jp/series/srmca3u1s8

取材・文/M(フジテレビ担当) 撮影/尾崎篤志 ヘアメーク/太田年哉(maroonbrand) スタイリスト/岡本純子

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