「ハセベほど完璧なスターはいない!」引退表明の元日本代表主将・長谷部誠に海外記者から労い。独紙は「プロ意識、謙虚さ、礼儀正しさ」の“人間性”を絶賛!

3大会連続ワールドカップ(W杯)で日本代表のキャプテンマークを巻いた唯一無二の男が、大きな決断を下した。

現地4月17日、ドイツ・フランクフルトに所属する元日本代表の長谷部誠がドイツで記者会見を開き、今季限りでの現役引退を発表した。

会見に出席した長谷部は、今シーズン終了後に現役選手としてのキャリアを終えると表明した。続けて、「まだすべてが終わったわけではないです。チームとともに、ラストスパートに集中します」と述べ、残りのシーズンに集中することをあらためて強調した。

在籍10シーズン目を迎えるアイントラハト・フランクフルトでは主将を務めるなど、チームの中心として活躍した長谷部。今年1月で40歳を迎えた日本人プレーヤーの引退発表には、現地メディアもすぐに反応を示している。

ドイツの日刊紙『BILD』は「Tschüss(さようなら)! マコト・ハセベが現役生活に終止符を打つ」と速報を打ち、「決断が下された。ハセベが今季限りでアイントラハトの選手を引退する。この決断のタイミングは、もはや驚くようなことではない。22年以上に渡る唯一無二のプロサッカー選手としてのキャリアを終焉する」と伝えた。

記事内では、その輝かしいキャリアを詳細に列挙している。プロデビューを飾った浦和レッズでJリーグやアジアチャンピオンズリーグ制覇など、多くのタイトル獲得に貢献し、08年にドイツへ移籍。ヴォルフスブルクでのブンデスリーガ優勝、フランクフルトではカップ戦、欧州リーグ戴冠など主力として活躍し、ドイツでも多くの祝杯をあげたと紹介。さらに、日本代表として114試合(歴代7位)のキャップを記録し、W杯は2010年の南アフリカ大会から3大会連続で出場。主将として、チームを牽引したとも付け加えられている。

それだけではない。輝かしいタイトルの数よりも、同紙が最も強調したのは長谷部の人間性だ。「アイントラハトの守備のベテラン以上に、完璧なスターはほとんどいない」と断言され、「チームメイト、監督、コーチでさえ、誰もが彼のことを絶賛する。なぜなら、ハセベはプロ意識、謙虚さ、礼儀正しさがある」と褒め称えられ、同クラブの過去最高フットボーラーとも評されている。
長谷部に労いの言葉を送るのは、ドイツ国内だけではない。米スポーツ専門局『ESPN』の記者で、ブンデスリーガに精通しているデレク・ライ氏は「アイントラハト・フランクフルトのレジェンド、マコト・ハセベが40歳の夏に現役を引退すると発表した」と自身のX(旧ツイッター)に投稿。ブンデスリーガの最年長出場記録(9位)を持つ”鉄人”の引退を惜しんだ。

国内のブンデスリーガだけでなく、豊富なドイツサッカー情報を世界に発信している専門サイト『Fussball News』のクリストファー・ミシェル氏は「正確な役割はまだ決まっていないが、ハセベはクラブ内でコーチに就任する予定だ」と報告。チーム内外から全幅の信頼が寄せられる長谷部の指導者転身に太鼓判を押している。

日本代表やドイツで強烈なキャプテンシーを発揮し、サポーターやチームメイトから愛された長谷部。J1通算149試合12得点、ブンデスリーガで383試合7得点(17日現在)をマークしているレジェンドの功績には、ただただ敬服するばかりである。

構成●THE DIGEST編集部

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