大成建設/4月19日まで設計本部作品展、会場デザインは“超循環型”

大成建設は19日まで東京都新宿区の新宿センタービル1階ロビーで「設計本部作品展2024-party+ion-」を開催している。毎年異なるテーマで入社5年目までの若手を中心に企画し展示デザインを計画。2023年度に竣工した設計・施工作品の中から選定した優秀15作品を紹介している。
今年のデザインテーマは「ZERO」。オフィスから生じる材料を活用する「材料費ゼロ」、設計部社員で部材を作る「非関係者ゼロ」、会期後に新たな姿に作り替えオフィスに還す「ゴミゼロ」の三つの“ゼロ”を実現する超循環型作品展を目指した。
その一環としてコロナ禍の収束で不要になった飛沫(ひまつ)防止のアクリル板を展示パネルに転用。社員が協力してオフィスで発生する大量の紙くずに水とでんぷんのりを混ぜてシュレッダータイルも製作した。これを組み合わせ重厚感のある展示台やベンチに利用するなど、来訪者を誘う展示空間を演出している。
「循環」をテーマに会期後はアクリル板を回収、ペレット化して再生アクリル板やグッズなどへの再利用を計画している。
社内コンペで選ばれ会場づくりに携わった建築設計第二部設計室の岸野文香さんは「会期中だけでなく、展示前の製作段階と展示後もしっかりテーマを意識した。みんなが参加し会社全体で盛り上げることができた」とコメント。若手中心の企画をサポートした猪里孝司設計企画部長は「苦労しながらアイデアを具現化することで成長につながり、全体のレベルアップが期待できる。他の設計者の刺激にもなる活動を今後も続けていきたい」としている。

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