岐阜市民病院/中央診療棟整備の方向性を集中議論、長期施設整備計画立案へ

岐阜市民病院は、建設から30年以上が経過する中央診療棟の短・中長期的な施設整備の方向性についての議論を本格化する。大規模地震発生時に機能が停止する可能性がある手術室など重要施設の対応を検討する。並行して、機能・設備の拡充や職員増などで手狭になっている中央診療棟の将来の整備の方向性についても経営強化プラン(2023~27年度)の期間中に集中的に議論し、長期施設整備計画の立案に着手する。
岐阜市民病院(鹿島町7の1)は内科、小児科など29科を有する市の中核病院。病床は565床(一般481床、精神50床、集中治療室〈ICU〉6床、高度治療室〈HCU〉6床)。約2・3ヘクタールの敷地内に中央・西・北診療棟、エネルギー棟、玄関棟などの施設がある。
1991年に完成した中央診療棟(SRC造11階建て延べ2万2468平方メートル)は耐震構造で震度6の地震に耐えるが、建物内にある中央手術室やICU、腎臓病・血液浄化センターなどの重要施設は大規模地震発生時に機能が停止する可能性がある。医療機器の大型化や高度化に伴うスペース拡大、電力消費増や電子化に伴うインフラ整備などには改修で対応してきたが、施設内があらゆる面で手狭になっており、スペース全体の有効活用も課題となっている。
このため、短期的には手術室など重要施設について、拡張や移転など災害時でも機能を継続する対応策を検討する。中央診療棟の整備の方向性は中長期的視点で議論する。21年1月にまとめた市民病院個別施設計画(維持管理計画)では、施設の目標使用年数を60年に設定した。これを踏まえ方向性の議論を本格化し、経営強化プランの期間内に長期施設整備計画の策定に着手する。策定に当たっては、病床数や機能、役割など保健医療計画や地域医療構想との整合性を図る。

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