日空衛/CN行動計画発表、24年度にロードマップ策定

日本空調衛生工事業協会(日空衛、藤澤一郎会長)は17日、空調衛生工事のカーボンニュートラル(CN)行動計画を発表した。施工段階・自社の事業活動(スコープ1、2)などの二酸化炭素(CO2)排出削減目標を設定。業界団体として目指す方向性を広く発信するとともに、会員各社の活動を支援する。同日東京都内で開いた理事会後の記者会見で藤澤会長は「2024年度内に30年を目標とするロードマップを策定したい」と話した。
行動計画ではスコープ1(自社による温室効果ガスの直接排出)とスコープ2(他社から供給された電気や蒸気の使用に伴う間接排出)の排出量に加え、建築物のライフ・サイクル・アセスメントに基づくサプライチェーン(供給網)を通じたCO2排出量(ホールライフ・カーボン)や、建設生産に由来するエンボディド・カーボンの削減目標を設定。スコープ1、2は13年度比で50%以上または年間4・2%以上の削減を早期に目指すとした。
施設・設備の省エネ設計提案など建物運用段階のCO2排出(オペレーショナル・カーボン)削減の推進に加え、再生可能エネルギー利用促進や省エネ化などで自社事業活動の排出削減に取り組むことなどを基本方針に掲げた。
日空衛では会員各社にCO2削減目標の設定を働き掛けるとともに、啓発パンフレットを作成。設計段階では関係団体と連携し新築時の効率的なZEB事例の収集などを行う。施工段階では低・脱炭素建設資材の普及促進やICT施工など環境に優しい施工方法の評価検討などを実施。施工段階のCO2排出量の推計方法なども検討する。
藤澤会長は本年度内に策定するロードマップについて「まずは会員企業に意識を高めてもらい、企業規模を考慮したロードマップを作りたい」と話した。

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