堤駿斗の〝失態〟が波紋 所属ジムマネジャーは「6か月以上のライセンス停止」か

3回KO勝ちの堤(左)はモレノ陣営に謝罪した

ボクシングのホープによる〝大失態〟が波紋を広げている。フェザー級10回戦が17日、東京・後楽園ホールで行われ、WBC同級8位・堤駿斗(24=志成)がWBA同級9位アンセルモ・モレノ(38=パナマ)に3ラウンド(R)KO勝ち。デビュー5連勝とした。堤は前日計量で1・6キロも超過し、当日計量をパスして何とか試合成立にこぎつけた。

試合後に笑顔はなく、リング上のインタビューでは「歴史あるボクシングという競技を汚してしまい、人として未熟で成長しないといけないと思いました」とモレノ陣営やファンらへ謝罪。観客から「反省しろよ!」などの声が飛ぶと、言葉を詰まらせる場面もあった。堤によると、約3週間前に終えた米国合宿中に新型コロナウイルスに感染。帰国して症状が治まってからもスパーリングなどの激しい運動ができず、体重を減らすことができなかったという。

日本ボクシングコミッション(JBC)によると、堤にはライセンス停止6か月の処分が下される方向。さらに、約半年の間に所属選手が3回も計量失敗したことで所属ジムの二宮雄介マネジャーもライセンス停止処分を受ける可能性がある。同マネジャーは2023年10月に大湾硫斗が体重超過したことで最も軽い処分の厳重注意、同年12月に木村吉光が減量失敗による体調不良で試合をキャンセルしたことで、2番目に軽い戒告を受けた。

今回の処分について、JBC関係者は「半年で3回ですからね。前回よりも重い処分、6か月以上のライセンス停止もあり得る」との考えを示した。アマチュアで日本初の世界ユース王者となるなど輝かしい実績を持つ堤だが、何とも後味の悪い勝利となった。

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