「着物の良さを若い世代に伝えたい」 古い着物を現代風にリメーク

着物の良さを若い世代に伝えたい。
鳥取市の女性が取り組んでいる「着物リメーク」がいま話題となっています。

一体どんな服に蘇るのでしょうか。

ミシンで洋服を縫うのは、鳥取市の「ミシンアート紡)」の代表、加藤洋子さん73歳です。

記者
「加藤さん今何をされているんですか?」
加藤さん
「注文のあった着物のリメークをしています」

加藤さんが取り組んでいるのは、着なくなった着物を洋服などにリメークすること。

ミシンアート紡 加藤洋子 代表
「5年くらい前にお客様が着物がたくさんあって困ってるんですけど、どうしたらいいんでしょうかっていう訪ねてこられまして、洋服にされたらいかがですかっていう話になりまして、それから始めた」

加藤さんの手にかかると、和風の着物はコートやストールなどに大変身です。

着物は洋服に比べ、生地を切らず折り畳んで縫っているところが多く、使われている絹も丈夫なため半世紀たっていても十分リメークができます。

加藤さんは、客の要望に沿って、着物をワンピースやコート、チュニックなど様々に生まれ変わらせてきました。

そして洋服以外にも・・・。

安松裕一 記者
「こちらの手提げバッグ、何で作られていると思いますか?実は、着物の帯なんです」

帯の柄を生かした手提げバッグに、着物ではありませんがなんと畳のふちの部分の生地を使い、リュックも作ってしまいました。

加藤さんはリメークする際にこだわっている点があります。

ミシンアート紡 加藤洋子 代表
「着物なんですねって言われるような洋服にしたくなくて」

元は着物だったと思わせないこと。
そのため、デザインを考えるのに寝られないほど悩むこともあるんだとか。

しかし、こうした努力のおかげで、加藤さんの着物リメークは人気となり、いまでは注文が絶えません。

そんな加藤さん、着物リメークを通じていまの若い人たちへ伝えたいことがあると言います。

ミシンアート紡 加藤洋子 代表
「若い方は特に、ファストファッションに走っていて、もう捨てるのが当たり前になってますね。何か捨てるために洋服を作ってるんじゃないかと思えるほど。いまの着物を受け継がれたものを、やっぱり何かに生かして欲しいと思います」

日本の宝・着物。
加藤さんは今後、誰でも簡単にできるリメーク術を研究し、若い人たちへ継承していけたらと話しています

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