ボクシングのオリンピック日本人メダリスト一覧、歴史に残る8人のボクサー

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歴代オリンピックのボクシング全メダリスト紹介

オリンピックにおけるボクシングの歴史は非常に古く、古代オリンピックで競技として採用されていた。近代オリンピックにおいては、男子が1904年セントルイス大会以降、1912年のストックホルム大会を除くすべての大会で実施され、女子も2012年のロンドン大会から行われている。

日本人選手はこれまで男女合わせて8人がオリンピックでメダルを獲得。ボクシングの日本人メダリストを全て紹介する。

【1960年 ローマ】
田辺清 フライ級 銅

【1964年 東京】
桜井孝雄 バンタム級 金

【1968年 メキシコ】
森岡栄治 バンタム級 銅

【2012年 ロンドン】
村田諒太 ミドル級 金
清水聡 バンタム級 銅

【2021年 東京】
(男子)
田中亮明 フライ級 銅
(女子)
入江聖奈 フェザー級 金メダル
並木月海 フライ級 銅メダル

日本ボクシング初の金メダル・桜井孝雄

日本男子ボクシングで初のオリンピック金メダルに輝いたのが桜井孝雄だった。

「打たせずに打つ」スタイルで相手のパンチを巧みにかわし、冷静な試合運びをするテクニシャンとして活躍。1964年の東京大会決勝では韓国の鄭申朝に2回1分18秒RSC(レフェリー・ストップ・コンテスト)で勝利し、表彰台の真ん中に立った。

長く「日本のボクシング史上唯一のオリンピック金メダリスト」として知られていた桜井だったが、2012年、新たな金メダリストが誕生する直前に死去。日本ボクシング史上2人目の金メダリストの誕生を心待ちにしていたが、ロンドン大会での新たな時代の到来を目にすることはなかった。

48年ぶり金メダルの村田諒太

2012年ロンドン大会で桜井に続く「日本人2人目のボクシング金メダリスト」となったのが村田諒太だ。日本ボクシング界にとっては、48年ぶりの快挙だった。

ミドル級は海外の選手層が厚い激戦階級。欧米各国の選手との体格差から日本人は不利と見られていたが、村田は決勝戦でエスキバ・ファルカンを相手に判定勝ちし、金メダルを手にした。

2013年に転向したプロの世界でも圧倒的なパワーでWBA世界ミドル級王座を2度獲得。日本人として初めてアマとプロの両方で世界の頂点に立った。

44年ぶり銅メダルの清水聡

2012年ロンドン大会で、日本ボクシング史上44年ぶりの銅メダリストに輝いたのは清水聡だ。

2回戦で対戦相手から6度もダウンを奪い、誰の目にも明らかな勝利だったが、物議を醸す判定負け。試合後の抗議が認められて清水の勝利に覆り、レフェリーは大会から追放された。

準々決勝でも判定勝ちし、準決勝で敗れたものの見事に銅メダルを獲得。その後、銅メダルを紛失して騒動になったが、3年後に無事、発見された。

清水は2016年のリオデジャネイロ五輪予選で敗れて、大橋ジムからプロ転向。2023年7月にWBO世界フェザー級王者ロベイシ・ラミレス(キューバ)に挑んだが、5回TKOで敗れた。

女子初の金メダル・入江聖奈

2021年東京大会では女子フェザー級に出場した入江聖奈が金メダルに輝いた。決勝でフィリピン選手に判定勝ち。ボクシングの女子選手としてだけでなく、全種目を通じて鳥取県出身選手としても史上初の金メダリストとなった。

入江は2022年11月に行われた全日本選手権で2連覇を達成。まだ22歳と若く、明るいキャラクターで人気だったが、惜しまれつつ現役を引退した。

また、東京大会では女子フライ級の並木月海が銅メダル、男子フライ級の田中亮明も銅メダルを獲得。一気に3人のメダリストが誕生し、メダルラッシュに沸いた。

2024年パリ大会には男子ライトミドル級の岡澤セオンと男子フェザー級の原田周大が日本代表に内定。メダル獲得が期待される。



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