【ガーデニング】園芸家・青木純子さんの庭を美しくキープする春の作業「咲き終わった花の整理」「支柱立て」「鉢植えの夏越し準備」

約30年にわたり、京都にある自宅の庭をつくってきた園芸家・フォトグラファーの青木純子さん。年齢を重ねても、無理なく美しい庭を維持するために、試行錯誤の末、たどりついたのが「手間いらずの多年草で長く続けられるローメンテナンスガーデニング」でした。ここでは、青木さんの春の園芸作業「先終わった花の整理」などについて教えていただきます。

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原種系のチューリップの整理(4月下旬)

花後、花茎を取り除く。鉢は引き続きひなたに置き、葉が黄色く枯れるまで水やりをしながら球根を太らせる。写真は原種系のチューリップ・バタリーニ ‘ブライトジェム’ 。
5月下旬、枯れた葉を整理し、鉢は雨の当たらない場所に置く。過湿で球根が腐らないように乾燥気味に管理。植えっぱなしで数年そのまま楽しめる。

パンジーやビオラの整理(4月下旬〜)

5月、徒長し草姿が乱れてきたら、思いきって根元から整理。わさっと器に生け、しばらく室内に飾って楽しむ。写真はビオラ‘フルーレット ワンダーランド ラビットブルー’。

植物を買う前にスマホでチェックしてひと呼吸!

園芸店を訪れると、初めて出合う草花に惹かれ、ついつい衝動買いをしてしまいます。そんな草花を過去に何度も枯らしたことがあり、そのたびに後悔……。最近は衝動買いを抑えるために、スマホで植物の原産地や育て方をチェックします。情報をもとに、庭の環境や植え場所などを考えてから購入することにしています。おかげで、植物を枯らすことがほとんどなくなりました。

トキワマンサク ‘ブラックパール’ の花後の強剪定(4月下旬)

刈り込みに強く垣根に使われる、生育旺盛なトキワマンサクの剪定前。
下の植物の日当たりをよくするために、花後、強剪定する。コンパクトに仕立てると手入れがラク。

キモッコウバラとハゴロモジャスミンの花後の強剪定(4月下旬)

南側のパーゴラの下の、トレリスに誘引したキモッコウバラとハゴロモジャスミン。
花後、花がらが汚く、枝も伸びすぎているため、強剪定し管理をしやすくした。

草丈が高くなる植物の支柱立て(4月下旬〜)

初夏に咲くペンステモンやジギタリスなど、草丈が高くなる植物を剪定枝で作るオベリスクで支えると、ナチュラルな印象に仕上がります。

4本の長い剪定枝を、支えたい植物の周りに均等に深く差し込み、上でクロスさせてビニタイなどで仮固定。高さは植物の最終草丈に合わせて。
麻ひもで枝のクロス部分をしっかり縛り、仮固定したビニタイをとる。枝の上部の長さをだいたいそろえて切るときれいに仕上がる。
4本の支柱と植物の茎を、麻ひもやビニタイでところどころ留めて完成。ユーカリやローリエなどの生育旺盛な樹木の、まっすぐな剪定枝が支柱向き。
オベリスクを覆うように咲く、満開のペンステモン‘ハスカーレッド’。

混み合ってきた花壇の整理(4月下旬〜)

4月下旬、花壇のギボウシなどの葉ものが茂り、隣の植物を覆ったり、風通しが悪くなったりしがちです。病気予防のために、混み合った枝葉を整理するのも大切なポイントです。

整理前。ギボウシが広がりすぎて、右隣のスキミア‘ルベラ’が隠れてしまっている。スキミアを覆っているギボウシの葉を取り除く。
ギボウシの葉を間引くように整理したら、スキミアの姿があらわれ、風通しがよくなった。

多年草の鉢植えの夏越し準備(5月中旬〜)

春や秋に咲く多年草は、一般的に夏の高温多湿が苦手です。花後、順番に枝葉を整理して夏越しの準備を始めていきます。

ローダンセマムの茎を約10㎝残して切り戻す。
中央の重なり合った枝葉を取り除き、風通しをよくする。
北側の半日陰、風通しのよい場所に鉢を移動。乾燥気味に管理するが、ときどき葉に水をかけてハダニの予防対策を。クロバスミレも同様に。
クロバスミレ
ローダンセマム

次回は「春におすすめの鉢植え」について、青木さんに教えていただきます。

※この記事は『長く続けられる美しい庭づくり 』青木純子著(主婦の友社刊)の内容をWEB掲載のために再編集しています。

撮影/青木純子


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