小池都知事の〝アラビア語〟に疑問符 元側近男性が飯山陽氏との「公開討論」を提案

元都民ファーストの会事務総長の小島敏郎

アラビア語の能力は――。小池百合子都知事に再燃したカイロ大卒業の経歴詐称騒動で、月刊「文芸春秋」で4年前の裏工作を告白していた元都民ファーストの会事務総長の小島敏郎氏が17日、日本外国特派員協会で会見した。外堀を埋められつつある小池氏だが、窮状を脱するには衆院東京15区補選(28日投開票)に出馬するイスラム思想研究者の飯山陽氏とのアラビア語対決に応じるしかない!?

小島氏は4年前に経歴詐称の疑惑が持ち上がった際に小池氏から相談を受け、「カイロ大に声明を出してもらえばいい」と提案。小池氏の側近だった元ジャーナリストのA氏が文案を作成し、翌日には駐日エジプト大使館のフェイスブックにカイロ大学長の声明文が掲載された。小島氏は「学歴疑惑の隠蔽工作に加担してしまった」とザンゲし、改めて小池氏に真実を話すように迫った。

小島氏は小池氏が今後の選挙で「カイロ大」の経歴を使用した場合には刑事告発すると宣言し、小池氏側から名誉毀損等で民事訴訟される可能性も踏まえ、「法廷で戦うことになればすべてを明らかにする」と、A氏やカイロで小池氏と一時同居していた女性の証言などを既に証拠として保全していることも明かした。

小池氏は12日の会見で「卒業したファクトがある。大学が認めている」と反論しているが、4年前は卒業証書や卒業証明書の公開で騒動は沈静化したものの、小島氏の爆弾告発により再燃した疑惑は深まるばかりとなっている。

ただ小池氏にはまだ逆転の一手もありそうだ。小島氏は卒業実態がなかったことを示す証拠の一つに小池氏のアラビア語の能力を挙げ、「カイロ大の授業についていけるレベルでないという証言がある。飯山さんがアラビア語堪能で、ディスカッションしてもらうというのは一つのアイデア」と提案した。

飯山氏は衆院東京15区補選に日本保守党から立候補しているイスラム思想研究者で、エジプトやモロッコに滞在し、アラビア語の通訳も務めていた経歴がある。かねて飯山氏は「小池知事はカイロ大卒かつアラビア語の通訳をやっていたとなれば、はるかに高いレベルでのアラビア語運用能力を持ち合わせていることになるが、正確に発音できない、文法を理解していない、基本的な単語を習得していない。せいぜい2~3歳か、それぐらい」と斬っていた。

小島氏の提案に対し、日本保守党の有本香事務総長は「(飯山氏は)出馬会見の時からアラビア語での対決を小池知事に呼びかけている。選挙中だろうと知事が受けられるならいつでもいい」と場が設けられれば応じるとした。

ボロカスに言われる小池氏だが、飯山氏との対談で、堪能なアラビア語を披露すれば、再び事態の収束を図れることにもなりそうだが…。果たして〝逆襲の小池劇場〟は開かれるのだろうか。

東京15区補選には飯山氏のほかに立憲民主党の酒井菜摘氏、日本維新の会の金沢結衣氏、つばさの党の根本良輔氏、参政党の吉川里奈氏、元自民議員で無所属の秋元司氏、無所属の乙武洋匡氏、同じく無所属の須藤元気氏、NHKから国民を守る党の福永活也氏が出馬している。

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