パリ五輪最終予選でまだまだ続く大岩監督の憂鬱…絶不調エース細谷真大は中国戦でも無得点

松木(C)共同通信社

7月開幕のパリ五輪アジア最終予選を兼ねたU23(23歳以下)アジア杯がカタール・ドーハで開幕し、8大会連続の五輪出場を目指す大岩剛監督率いる日本代表は昨16日、1次リーグB組初戦で中国と対戦。前半17分に退場者を出しながら10人で守り倒し、1-0の辛勝スタートを切った。

前半8分、右サイドからのクロスをMF松木玖生(FC東京)が、左足ダイレクトボレーで先制ゴール。しかし17分にDF西尾隆矢(C大阪)がラフプレーで一発退場となり、日本は守勢に回る時間も長く、苦しみながらの白星だった。

試合後に「アクシデントは想定していたが、厳しい戦いだった。(次戦の)UAE(アラブ首長国連邦)戦も選手23人全員で向かいたい」と話した大岩監督。「もっとも柏所属のエースFW細谷真大の調子が戻らず、これからも不安材料を抱えたままの戦いを強いられる」とサッカー関係者。

柏ユース出身の細谷はプロ3年目の2021年シーズンにリーグで3得点。翌シーズンにチーム最多の8得点とブレークし、昨23年シーズンは14点を決めてJ1得点ランク5位タイに躍進した。

五輪代表でもゴールを量産し、A代表で参加した1月のアジア杯のメンバーに呼ばれた。

細谷の状態の悪さは深刻

「しかし、初戦の格下べトナム戦の先発に抜擢されながら低調パフォーマンスに終始。前半45分でベンチ送りとなった。次の出番は、準々決勝で対戦したイランに逆転ゴールを許した直後の後半アディショナルタイムでしたが、一回もボールに触れられずに試合終了。ベスト8敗退の屈辱をピッチ上で味わい、心身ともにダウンしてしまったのです。今季J開幕前のJ2千葉とのカップ戦(2月18日)でシュート0本に終わり、1週間後のJ1開幕・京都戦ではPKを外して試合はドロー決着。結局、公式戦8試合連続無得点の絶不調状態で8日にカタール入りした。そして迎えた大事な予選初戦ではシュートの一本も打てず、細谷らしさの片鱗も見せられなかった。状態の悪さは深刻です」(前出の関係者)

アジアに与えられた出場枠は3.5。アジア杯の1次リーグは16チームが4組に分かれ、各組2位までが準々決勝に進出し、決勝進出国と3位決定戦勝利国がパリ行きの切符を手にする。

大岩ジャパンは現地19日(日本時間20日0時30分キックオフ)にUAEと対戦。22日にライバル韓国と激突する。

難敵との対戦を控えて指揮官の憂鬱は、まだまだ続いていく──。

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