中国車がタイ市場に進軍、日本車のシェアに影響も―シンガポールメディア

15日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の電気自動車(EV)ブランドがタイをはじめとする東南アジア市場への進出を加速する中、日本ブランド車のシェアが低下しつつあることを報じた。

2024年4月15日、シンガポールメディア・聯合早報は、中国の電気自動車(EV)ブランドがタイをはじめとする東南アジア市場への進出を加速する中、日本ブランド車のシェアが低下しつつあることを報じた。

記事は、先月開かれたバンコク国際モーターショーで、「哪吒(Neta)」ブランドを展開する中国合衆新能源汽車の幹部が「今年、タイでの販売台数を2倍の3万台にまで増やす」と公言したことを紹介。同社は昨年世界で10万5563台のEVを販売するなど急速に成長していること、タイ工場の生産台数を5年で倍増させる計画について王成傑(ワン・チョンジエ)副総裁が「5年も待つ必要はないと思う。この目標はすぐに実現できるだろう」と語ったことを伝えた。

また、タイの自動車市場における年間販売台数80万台のうちEVは7万6000台となっており、同社が掲げた「年間3万台のEV販売」は決して小さな数字ではないとした上で、同社のような中国EVメーカーはタイをはじめとする東南アジアの自動車市場に照準を合わせていると指摘。その背景として、東南アジア市場での乗用車販売に占めるEVの割合が2020年ではわずか1%と低く、30年には14%、40年には64%と大きく拡大することが見込まれていることを挙げた。

一方、タイで内燃機関車のサプライチェーンを確立し、圧倒的なシェアを獲得してきた日本の自動車会社はEV分野で中国勢に対抗できる競争力を持ち合わせていないため、昨年の日本企業のタイ市場シェアが長期にわたって保ってきた80%を割り込み、逆に中国車のシェアが10%に達したと紹介。日本の業界アナリストからは構図が変化しつつある東南アジア市場を前に「あぐらをかいていてはいけない」との指摘も出ていることを伝えた。

記事は、日本の自動車メーカーも東南アジア市場でのシェアを守るための動きを見せており、タイがピックアップトラックが新車販売の4割を占める農業国であることを考慮してトヨタが25年末までにピックアップトラック「ハイラックス」のEV版をタイで発売する計画を打ち出し、いすゞもバンコク国際モーターショーでピックアップトラックEV「D-Max」を初めて発表したと紹介した。(翻訳・編集/川尻)

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