中条あやみが実家に大切に保管『Seventeen』憧れの先輩モデルからの手紙「この世界で自分の人格が作り上げられた」

中条あやみ 撮影/冨田望

中学3年生だった2011年、雑誌『Seventeen』の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」にて、グランプリのひとりに選ばれた中条あやみ。その後も昨年末まで『CanCam』の専属モデルを務めるなど、ファッションモデルとして活躍。今田耕司とともにMCを担った『アナザースカイ』などで見せてきた、親しみある素顔も支持を広げている。モデルと同時にキャリアを積み重ねる俳優業も順調で、現在は江口のりことダブル主演の映画『あまろっく』が公開中だ。そんな中条さんのTHE CHANGEを聞いた。【第1回/全4回】

グアムでスカウトされ芸能界への扉が開いた

舞台稽古などが行われるスタジオ。淡い水色のワンピースを身にまとった中条さんが現れると、窓もなく、簡素だった空間が一気に華やいだ。俳優であり、モデルでもある中条さんには写真撮影はお手の物。レンズを向けられながら、美しくスッとした表情だけでなく、スタッフの雑談を耳にして弾けるような笑顔を見せ、その場にいる全員を魅了していった。

――現在、俳優としてもモデルとしても活躍していますが、2011年のデビューから、今年で14年目に入りました。

「信じられない! 人生の半分ですよね(現在、27歳)。もともとこの世界に入るとは、思っていませんでした。14歳のときにスカウトされたことが、私のCHANGEのタイミングだったと思います」

――グアムでスカウトされたとか。

「家族旅行に行っていたときでした。東京に帰ってから宣材写真を撮って、そのときに“『Seventeen』という雑誌のオーディションがあるので受けてみませんか?”と言われました。受かるとは思っていなかったので、人生の記念という気持ちでしたが、ちょっとチャレンジしてみたいとも思ったので、オーディションに行ったんです。それがこの世界に入ったきっかけです」

雑誌『Seventeen』は、’68年に『週刊セブンティーン』として創刊した女子中高生向けの情報誌でありファッション誌。卒業モデルから多くの人気タレントや俳優を輩出。

木村カエラ、北川景子、水原希子、桐谷美玲、滝沢カレン、森川葵、岡崎紗絵、広瀬アリス、三吉彩花、広瀬すず、八木莉可子、大友花恋、出口夏希、桜田ひより……錚々たる顔ぶれが揃う。中条さんは’11年の専属モデルオーディション「ミスセブンティーン」にて新川優愛、坂東希、橋爪愛とともにグランプリに選ばれた。(敬称略)

「それまで友達がいっぱいいたわけでもなく、少人数で遊んでいました。みんなをまとめるタイプでもなかったですし、図書委員をやっていて、いつも図書室にいました」

――学校の人気者だったわけでは。

「人見知りでした。人前に出て何かするというのも好きじゃなかったです。でもこの世界に入って、さまざまなお仕事と出合ってチャレンジしていくことで、自分からも挑戦したり、いろいろな人とお話するのが楽しくなっていきました」

スタートは『Seventeen』の専属モデル

――芸能界で仕事をしていったことで、中条さん自身が変化していった。

「14歳からいますからね。この世界で自分の人格が作り上げられた面もあると思います。引っ込み思案というか、仲の良い人とだけいた場所から、学生時代に外に出て行って、いろいろな人に出会っていったのはかなり大きかったと思います。この世界に入っていなかったら、引っ込み思案のまま生きていたかもしれません」

――芸能界に入ってすぐ、『Seventeen』の専属モデルとしてスタートしました。刺激を受けた先輩はいますか?

「私が『Seventeen』に入ったのが、何度も表紙を飾っていた桐谷美玲さんの卒業するタイミングだったんです。少しお話させていただいたのですが、そのあと、編集部の方から、桐谷さんが私宛にお手紙を書いてくれたと渡してもらったんです。“ボーちゃん(中条さんの愛称)、かわいいね。応援してるよ”といったことが書かれていて、“あの美玲ちゃんが、私にお手紙を書いてくれた!”と衝撃でした。いまでも実家の宝箱に大切にしまっています」

――手紙というのが、またいいですね。

「『君と世界が終わる日に』で出会ってから仲良くさせていただいている玄理さんからも、お手紙をいただいたことがあります。かわいがっていただいていて、一緒にご飯に行ったり、相談を聞いてもらったりしているんです。家族みたいな、お姉ちゃんみたいな感じ。物事をストレートに言ってくれるので、すごく分かりやすいし、私もストレートに言うタイプなので、すごく楽で。その玄理さんが“いつも頑張っている姿を見ているよ”といったことを書いてくださって、“見てくれている人はちゃんと見てくれてるんだな”と感じて嬉しかったですね」

さまざまな仕事や人との出会いで変化していった

――いろいろな出会いを重ねて、この世界で10年以上がんばってきたことをどう感じていますか?

「子どものころから負けず嫌いで、そこは変わらないんです。でも自分が“こんなことができるとは思っていなかった”と感じることがよくあります」

――例えば。

「ダンス(映画『チア☆ダン』)やカヌー(映画『水上のフライト』)なんかもそうですけど、この世界に入ったこと自体がそうです。10年続くというのも、思っていませんでした。10年以上になってますからね。自分のなかでもすごく意外なことですし、カヌーをやったときは、“オリンビックに挑戦できるよ”と言ってもらえるくらい上達しました。この仕事をしていなかったら、“これもできるんだ、あれもできるんだ”と感じられることはなかったと思います」

――これから先もまだまだいろんなことへのチャレンジがありそうですね。

「そうですね。“なんか面白いなあ、この仕事は”と思っています」

そう微笑む中条さん。まだまだ多くのチャレンジを見せてくれそうだ。

中条あやみ(なかじょう・あやみ)
1997年2月4日生まれ、大阪府出身。14歳で芸能界に入り、’11年に「ミスセブンティーン」グランプリに選ばれる。翌年、俳優デビュー。’14年に『劇場版 零 ゼロ』で映画初主演を務めた。今田耕司とともにMCを務めた『アナザースカイ』(日テレ系)や、『ぐるぐるナインティナイン』(日テレ系)をはじめ、バラエティ番組やCMへの出演も多い。主な出演作に映画『チア☆ダン〜女子高生がチアダンスで全米制覇しちゃったホントの話〜』(2017)『覆面系ノイズ』(2017)『ニセコイ』(2018)『雪の華』(2019)『水上のフライト』(2020)『劇場版 TOKYO MER〜走る緊急救命室〜』(2023)、ドラマ『白衣の戦士!』(日テレ系)『閻魔堂沙羅の推理奇譚』(NHK)『君と世界が終わる日に』(日テレ・Hulu)など。最新作は江口のりことダブル主演を務める映画『あまろっく』。

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