QPS研究所、小型SAR衛星8号機の打ち上げでスペースXと契約–7月以降を予定

QPS研究所(福岡市中央区)は4月17日、小型の合成開口レーダー(SAR)衛星「QPS-SAR」8号機(アマテル-IV)の打ち上げでSpace Exploration Technologies(SpaceX)と契約を締結したと発表した。

7月以降にロケット「Falcon 9」でミッション「Transporter-11」として太陽同期軌道(SSO)に8号機を打ち上げる。QPS研究所は、8号機の打ち上げを2023年度期末(2024年5月)までと予定しており、遅れることになるが、計画には大きな影響がでないと説明する。

QPS-SARの1号機と2号機は実証試験機に位置付けられ、それぞれ「イザナギ」と「イザナミ」という愛称が付けられている。2021年1月に打ち上げられた2号機のイザナミは軌道高度が低下し、運用終了措置を実施。運用を終了するための調整をしている。2019円12月に打ち上げられた1号機のイザナギは運用が続けられている。

SSOに入る予定のものには天照大御神の別称である「アマテル(AMATERU)」と命名。QPS-SARプロジェクトでは、衛星ごとではなく、軌道ごとに愛称を付けており、今回の8号機はSSOの予定で3号機、4号機、6号機に続いく4機目であることから、アマテル-IVとなる。

3号機「アマテル-I」と4号機「アマテル-II」は「イプシロン」ロケット6号機の打ち上げ失敗で喪失。6号機「アマテル-III」は2023年6月に打ち上げられ、日本の民間SAR衛星で最高精細という分解能46cmの画像取得に成功している。

傾斜軌道を周回する、5号機「ツクヨミ-I」は2023年12月に打ち上げ、7号機「ツクヨミ-II」は2024年4月に打ち上げられた

(出典:QPS研究所)

同社は、収納性が高く、軽量でありながら大型の展開式アンテナを開発。同アンテナで従来のSAR衛星の20分の1の質量、100分の1のコストという高精細小型SAR衛星としてQPS-SARを開発している。

QPS-SARは、商用機としてアマテル-III、ツクヨミ-I、ツクヨミ-IIの3機が運用されている。QPS研究所は、2027年度に24機、最終的には36機の衛星コンステレーションで平均10分ごとという準リアルタイム観測データ提供サービスを目指している。

(出典:QPS研究所)

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QPS研究所プレスリリース

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