新チームの現在地⑤ サッカー男子 大分西 スマートさと泥くささを備えたスタイルを追求 【大分県】

1年生が加わり、どの高校もチームの再構築に取り組む。今企画では5月中旬から始まるサッカーの県高校総体に向けて、高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部)に参戦するチームを中心に現状と強化ポイントをチェックし、キャプテンに意気込みを聞いた。第5回は仕上がりの良さを感じさせる大分西だ。

【昨年度の主な成績】

高円宮杯JFA U-18 OFAリーグ(1部) 6位

県高校新人大会 2回戦敗退

全国高校選手権県予選 3回戦敗退

県高校総体 ベスト8

県高校新人大会では思うように力を発揮できなかった。黒木一輝監督は「昨年のチームは(卒業した)3年生に支柱が多く、新チームはガラリと変わった。経験の少なさが試合に出てしまった。だが今は、一人の選手に頼ることなく、ピッチでは学年に関係なく互いに認め合い、言いたいことが言い合える環境になっている」と語る。

キャプテンのMF原田惺斗や、昨年から試合に出ているDF藤内勇一朗ら3年生が軸となるが、各ポジションで2年生が先発メンバーに名を連ね、伸び伸びとプレーしている。さらに1年生が18人加わり、チーム内の競争は激しくなった。黒木監督は「大枠の12、13人は決まっているが、1年生の突き上げもある。力のある2年生に新戦力となってほしい」と期待する。一方で、「3年生の力なくしては勝ちきれない」と、県高校総体で大半が部活を引退する3年生の奮起も待っている。

ボールを動かし、主導権を握り、キレイに相手守備を崩すスマートなサッカーを信条とするが、「こぼれ球の反応や球際の強さ、泥くさくても点を取る気持ちが必要」(原田)と、選手は自分たちに足りないものを自覚している。県高校総体に向けて、その辺りがメンバー選考の基準になりそうだ。

新チームには球際の強さが求められる

主将が語る県総体のプラン

MF原田惺斗(3年)

2006年6月21日生まれ、176cm、61kg、前所属チームはスマイス・セレソン(別府西中学校出身)

Q:県高校新人大会を終えてからの積み上げは?

初戦で大分鶴崎に(0-2で)負けましたが、チームとして、失点しないことを共通認識として持てるきっかけになりました。攻撃は、引いて守る相手に対して、サイドを使ったクロスからの形ができています。練習から一人一人が勝負にこだわるようになり、いい雰囲気でサッカーができていると思います。

Q:県高校総体で勝ち上がるために必要なことは?

泥くささ。キレイな形だけでなく、どんなゴールでも1点は1点。何が何でも勝つんだという気持ちを前面に出し、戦えるチームにならなければいけない。最近はベスト8が最高なので、その上を目指し、優勝したいです。

Q:どんなプレーでチームの勝利に貢献したい?

ボールを持てる時間は多いですが、テンポを上げるパスや機動力を使って、リズムを変えるプレーをしたいです。

(柚野真也)

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