熊本県の木村知事、国スポ廃止に慎重姿勢 安易な否定「良くないのではないか」

就任記者会見に臨む木村敬知事=16日、熊本市中央区の熊本県庁(谷川剛)

 木村敬・熊本県知事は16日の就任会見で、他県から開催地の負担が大きいとして「廃止論」が出ている国民スポーツ大会(国スポ=旧国民体育大会)について「安易に否定的に捉えるのは、スポーツを頑張る若者のためにも良くないのではないか。勉強した上で改めて発信したい」と現時点で廃止に慎重姿勢を示した。

 木村氏は「(都道府県の)負担感が大きいのであればしかるべき改革は必要」とした上で、「熊本は高校生を中心にスポーツが盛んだ。全国大会優勝などの好成績を収め、将来が開ける子どもたちがいっぱいいる」と強調した。

 国スポは都道府県の持ち回り開催。開催経費や事務負担が自治体の重荷になっており、全国知事会長の村井嘉浩・宮城県知事が「廃止も一つの考え方」と主張し、馳浩・石川県知事や平井伸治・鳥取県知事らも同調。一方、神奈川県の黒岩祐治知事は「持続可能な形で継続できるよう検討を進めることが必要だ」と述べるなど、廃止に慎重な意見もある。

 国スポ開催は2035年から3巡目。熊本は1999年に2巡目の開催を終えた。(嶋田昇平)

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