笹生優花が “オンニ”との別れに涙 「本当にいろんな事を教えてもらった」

11歳差があっても笹生(右)とユ・ソヨンの絆は深い(撮影/村上航)

◇女子メジャー第1戦◇シェブロン選手権 事前(17日)◇ザ・クラブ at カールトンウッズ(テキサス州)◇6889yd(パー72)

「本当に色々なことを教えてもらいました」。今大会を最後に引退するユ・ソヨン(韓国)との別れに、笹生優花は涙をこぼした。1990年生まれのユは11歳も年上だが、ずっと頼ってきた“オンニ(お姉さん)”だった。

ユは2011年「全米女子オープン」を制し、米ツアーに本格参戦し、17年の今大会(当時ANAインスピレーション)でメジャー2勝目を挙げ、世界ランク1位に上り詰めた。笹生は21年「全米女子オープン」を制して世界の扉を開けた。似たような境遇でもあり、サインをもらいに行くほど尊敬していた。

一緒に回ったムニョスも泣いていた(撮影/村上航)

「本当にいい先輩。22年ぐらいからラウンドを何回かするようになって、自分は最近だけど同じコーチに習っていろんな話も聞いた」

たくさんのことを先輩に学んだ(撮影/村上航)

笹生は他選手と約束せずコースチェックをすることが多い。この日もそうだった。前日にプロアマ戦でフロントラインを回っており、開幕前日のこの日はバックナインを回ると決め、早朝からドライビングレンジで体を動かしていた。偶然、2つ隣のスペースにユが来た。「今日どっちを回るんですか?」と聞き、ユの現役最後の練習ラウンドをアサハラ・ムニョス(スペイン)も含めて一緒に回る機会を得た。

今週から新スポンサー「三菱パワー アメリカ」のロゴをつける(撮影/村上航)

「アサハラ(・ムニョス)さんもだけど、先輩たちがいたから自分もインスピレーション(感化)されて。いまのLPGAがあるように、盛り上げて、作り上げてきてくれて。夢をくれた。そういう人たちといろんな話ができたり、ラウンドができたのは自分の中ですごくありがたい」

縁に恵まれ、ゴルフだけが人生ではないことを学んだ。今週からウェアの左袖に新たなスポンサーのロゴをつける。「個人的にアメリカでお世話になっている」という企業が本格サポートに名乗りを上げてくれた。「ゴルフ以外の、人間的な部分を応援したいと言ってくれて。ゴルファーだけでなく“人”として見てくれる」。かけがえのない一日に感謝した。(テキサス州ザ・ウッドランズ/石井操)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン