「伊東正義文庫」運営のNPO法人解散 要望があれば今後も開架 福島県会津若松市

伊東氏の功績をたたえてきた「伊東正義文庫」

 福島県会津若松市出身で内閣官房長官や首相臨時代理を務めた伊東正義氏の偉業をたたえる「伊東正義文庫」を運営していた市内のNPO法人会津先人顕彰会が3月末をもって解散した。市内日新町にある文庫は4千冊余りの蔵書や自筆の手紙などを展示、保管する。建物を所有するNPO理事長で、伊東正義顕彰会長の平出孝朗さん(67)は要望があれば、可能な限り今後も開架を続けていく考えだ。

 NPOは2007(平成19)年に設立。2009年5月に自由に閲覧できる文庫をオープンさせたほか、鶴ケ城三ノ丸に建立された銅像の土地も取得した。月に1度、任意団体の伊東正義顕彰会とともに銅像周辺の清掃活動を続けている。

 NPOは近年の会員減少、高齢化を受け、伊東氏の死後30年に当たる今年を節目に解散を決めた。貴重な資料の一部を大学の研究機関に寄託し、財産のすべてを市に寄贈した。

 伊東氏の元秘書で、県議会議長を務めた平出さんは「(伊東先生は)会津人そのもの。質実剛健で、お金には無頓着。その姿は今の政治に問いかけるものがある」と話した。

 入館無料。時間は平日午前10時から午後3時まで。

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