福島市の日本酒×下関市の名産品 コラボで逸品誕生 酒かす漬けやソーセージ

福島市と山口県下関市の逸品を組み合わせた肉製品と日本酒をPRする(左から)前田、宮脇、斎藤、木幡の各氏

 福島市の金水晶酒造が製造する日本酒と山口県下関市の名産品を組み合わせた逸品が誕生した。17日、福島市の金水晶四季の蔵で商品披露式が行われた。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、交流してきた両市の関係者が、さらなる促進を誓い合った。

 金水晶酒造と下関市の食肉加工会社「東冷」などが共同し、日本酒の仕込みで出た酒かすに、下関市産のクジラ肉を漬け込んだ酒かす漬けや、シカやイノシシの肉と合わせたソーセージを開発し、販売を始めた。酒かすを入れることで甘みが増し、柔らかな食感に仕上がった。県産の酒米で仕込んだ日本酒に、割り水として下関市の名水「関露水」を加えた純米吟醸「螢乃輝(ほたるのかがやき)」も発売した。

 下関市出身で、NPO法人伊達応援団(伊達市)の宮脇彬行理事長が橋渡しした。同団体は震災と原発事故発生後、伊達市の子どもたちが下関市を訪問する交流事業を実施した。その時の受け入れの恩返しとして、今回の連携を提案した。

 商品は四季の蔵で販売している。肉製品は福島市の県観光物産館や、伊達市の道の駅伊達の郷りょうぜんでも取り扱っている。

 式には、下関市の前田晋太郎市長が出席した。金水晶酒造の斎藤湧生社長が商品の特長を説明した後、木幡浩福島市長が「食品を味わうだけでなく、地域間で交流する楽しみもある」と両地域の関係発展に期待を寄せた。前田下関市長は「地元に眠る産品が多くの人に広がり、話題になることを期待したい」と話し、下関市内での販売も今後検討するとした。

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