「PTAは任意です」専門部・役員決めなし! それでもうまくいった理由

「もう二度とやりたくない」。かつてPTAの非効率な運営や、押し付け合う雰囲気に失望した経験を持つ秋田市の石井葵さん(41)=自営業=は、次女が通う同市の大住小学校で2023年度からPTA会長を務めています。コロナ禍を機に活動の棚卸しを進めた前執行部に誘われ、「コロナ前のPTAに戻りたくない」との思いでバトンを受け取りました。現在はやりたい人が、やれる時に、やれる範囲のことをやる「エントリー制」を軸に、新しいPTAの形を模索しています。(デジタル編集部・内田洋子、2回続きの後編)

■コロナ禍を経てPTA活動の在り方を模索する動きは、大住小に限ったことではありません。あなたのお子さんが通う学校ではどんな試みが進んでいますか。あるいは「もっとこうしたら良いのに」と感じていることはありますか。身近なPTA活動に関するご意見をデジタル編集部(digital@sakigake.jp)までお寄せください。※取材をお願いする場合があります。

やりたい人が、やれる時に、やれる範囲のことを
大住小はエントリー制の導入に合わせて専門部を廃止。クラスごとの役員選出自体がなくなり、会長と副会長数人によるシンプルな執行部態勢となった。PTAとして本当に必要な活動は何かを考え、学校とも話し合いを重ねた上で、23年度は運動会と学習発表会当日の駐車場誘導、給食試食会の運営サポートの三つに活動を絞った。「年に〇回以上参加」といったノルマは設けなかった。

「PTAイコール、強制される嫌なもの、気まずいものというイメージをとにかく変えたかったんです。

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