【バレーボール】古賀紗理那が示すエースの覚悟 一戦必勝のネーションズリーグへ「勝っていきながら成長したい」

古賀紗理那がエースとしての覚悟を示した

4年間の集大成へ――。バレーボール女子日本代表の主将・古賀紗理那(27=NEC)が単独インタビューに応じ、エースとしての覚悟を示した。2021年東京五輪は25年ぶりの1次リーグ敗退。自身も大会期間中のケガの影響もあり不完全燃焼に終わった。パリ五輪開幕まで100日を切った中、5月には出場権のかかるネーションズリーグ(VNL)が開幕。一戦必勝で大舞台への切符をつかみ取る構えだ。

昨年秋に行われたパリ五輪予選では格上のトルコ、ブラジルに敗れ、出場権の獲得を逃した。大事な一戦で世界との差を痛感したエースは、さらなる進化を誓った。

古賀 今年は個人としてもチームとしても集大成というか、一番結果を残さなければいけないシーズン。自分のプレー、点を取るところにフォーカスして、チームの勝ちにつなげたい。オフェンスのところで苦しいボールが上がってくることもたくさんあるポジション(アウトサイドヒッター)だが、そこでミスしないとか、苦しい状況でも決めるとか、そういうところが私に求められている。スキルの部分ではそこを一番意識してやりたいです。

主将という立場ながらも、今季は「私は私のことにフォーカスしてやりたい」ときっぱり。世界で戦うためには個々のレベルアップが欠かせないとの考えから、自身も4年に1度の大舞台で後悔のないプレーを目指す。

古賀 やっぱりアスリートは4年スパンで考えていて、最後の4年目のシーズン、五輪で一区切りという認識。女子バレーだけでなく、アスリートは最後の五輪イヤーの4年目で結果を残すみたいなところが強い。五輪は特別な舞台だと思うし、五輪イヤーに結果を残したチームが最後は強いと思うので、自分たちの力を出し切りたいです。

すでにパリ五輪行きを決めたバレーボール男子日本代表の主軸として活躍する夫・西田有志(24=パナソニック)とは、テレビなどで複数回共演。取材時も夫婦に関する話題が出ることもあるが、夫の存在は大きなプラスとなっている。

古賀 私とつなげられて話されたりしているのを見ると(西田も)「いち選手なのに」と思うことはあるけど、別に嫌とかはない。他のアスリートはわからないが、私たちは(夫婦で)本当によく会話をする。いろんな話を聞いてもらえるし、話もしてくれる。プレーじゃない日常会話もするので、いい距離感でできているのかなと思います。

残り5枠を争うパリ五輪切符を手にするには、VNLで一つでも多くの白星を積み重ねる必要がある。結果が求められる中でも、古賀は目の前の戦いに集中する構えだ。

古賀 結果、結果という頭になってしまうと、私も含めてみんなが勝手にプレッシャーを感じてしまう。結果は積み上げたものの後についてくる。今自分たちができることや課題をクリアにしたり、自分たちの勝ちパターンを見つけることが大切だと思う。チームとして1試合ずつ勝っていきながら成長したいし、それがパリ五輪にもつながってくる。それぞれが個々の力を高めて、コート内で発揮できるようにしたいです。

開幕まで残り約1か月となったVNLは、初戦から難敵のトルコと対戦する。6大会連続の五輪切符へ、大黒柱がプレーでチームをけん引する。

☆こが・さりな 1996年5月21日生まれ。佐賀県出身。5歳で熊本県へ引っ越し、小学2年で本格的に競技を始める。熊本信愛女学院高2年時の2013年に日本代表入り。卒業後はVリーグのNECに入団し、主軸として活躍。16年リオデジャネイロ五輪は代表から落選するも、その後に日本のエースに成長した。21年東京五輪は代表に選出されると、22年から主将に就任。夫はバレーボール男子日本代表の西田有志。180センチ。最高到達点305センチ。

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