3週間で食習慣も改善の「おにぎりダイエット」 管理栄養士考案のパン置き換えレシピも紹介

薄着になると体形が気になる人も…(写真はイメージ)【写真:写真AC】

気温が上がり、薄着でも快適に過ごせる季節になってきました。一方、冬服で隠れていたボディラインが気になり、「ダイエットしなきゃ」と思う人も増える時期。多くのダイエット法があるなか、何度も話題になっているのが「おにぎりダイエット」です。このダイエットプログラムを開発したのは、元プロボクサーで大手スポーツジムのトレーナーの経歴を持つ小澤幸治さん。改めて「おにぎりダイエット」のポイントに加え、リクエストが多いという“パンへの置き換え”方法も伺いました。

◇ ◇ ◇

3週間で食生活を改善する「おにぎりダイエット」

プロボクサー時代に「おにぎりダイエット」のメソッドを編み出し、自らの減量に活かしたほか、スポーツジムのトレーナーとしても実績を上げてきた小澤さん。「おむすび(米)こそ、世界一のダイエット食品だ!」を提唱し、たくさんの支持を集めています。

一般的に、ダイエットでは炭水化物を減らすことが多いなか「おにぎりダイエット」は、文字通りおにぎりを中心とした食事でカロリー制限をするのが大きな特徴です。

「日本人の平均的な体格から割り出し、女性なら1日1500キロカロリーを上限として、そのうちの8割をおにぎりで摂取します。100グラムほどのおにぎりのカロリーが具材を入れて約200キロカロリーなので、6個で1200キロカロリー。男性は1800キロカロリーを上限とし、7個で1400キロカロリーです。

それを1日に4回以上に分けて食べます。食べる間隔を3~4時間空け、ひとくち30回噛むこと。この基本さえ守れば、寝る前に食べてもかまいません。それを3週間続けるだけです」

医師や管理栄養士の監修も受けている、このダイエット方法。しっかり咀嚼することで満腹中枢が働き、少ない量でも満足感が得られることに加え、おにぎり中心の食事だとおかずが必要なく、塩分や脂質の摂取が抑えられるメリットもあるそう。

「余計な塩分や油をとらないことで、胃腸の働きが整えられるといわれています。また、3週間継続すると習慣化でき、体がその量で満足感を得られるようになるなど、食習慣を改善するプログラム。ダイエットでは『炭水化物を控えないといけない』イメージを持つ人が多いため、当初はキワモノ扱い(笑)されましたが、理に適った方法なんです」

プロボクサーの減量経験をダイエットプラグラムに

「糖質を控えるのはストレスが溜まりがち」 継続しやすさを重視

小澤さんがカロリー制限で炭水化物が中心のおにぎりを軸にするのは、手軽さや続けやすさが大きなポイントだといいます。

「糖質制限も有効なダイエット法ですが、エネルギーに効率良く転換する糖質を控えるのはストレスが溜まりがち。おにぎりは家庭でも簡単に用意でき、コンビニエンスストアなどでも手軽に購入できます。具材もバリエーション豊富です」

おにぎりの具材も、全体の割合からすると大きな影響はないことから、お肉やツナマヨといった脂質を含む具もOKなのだとか。その理由は「おにぎり1個での満足度を上げるほうがいいですし、たまになら『ツナマヨ食べた分、体を動かそう』といったモチベーションにもなりますよね」と食事制限のストレスを抑え、継続しやすくする狙いがあるそうです。

続けやすさでも支持される「おにぎりダイエット」ですが、実践する人から相談が多いのが「パンを食べちゃダメですか?」というもの。パン好きな人は、おにぎりで効果が出ているなか「パンが食べたい……」となってしまうそうです。

一部をパンに置き換えてもOK 専門家と相談して見えたパンの利点

これまでも小澤さんは、一部をパンで代替する場合のアドバイスをしてきました。菓子パンやバターといった脂肪分が多い食パンなどは避けること。バゲットなど、クラストが硬く食べごたえがあり、脂肪分をあまり使っていないパンを選ぶといったポイントです。

さらに小澤さんは、パンに置き換えても同じ効果が得られるよう、さまざまな専門家と相談。そのなかで、パンの長所も見えたと明かします。

「専門家の方々と意見を交わした結果、硬いパンは噛む面でメリットがあることがわかりました。たとえば、しっかり噛むことで表情筋を動かすことになるので“小顔効果”も期待できますし、唾液の分泌が活発になるので歯周病や口臭予防にもつながると考えられます。

また、硬いパンは食事や消化にかかる消費カロリーが高いほか、体質によっては『米よりも粉末状の小麦が素材の食品のほうが、消化がいい人もいる』との意見もあるようで、置き換えもありだと感じました」

ベースはあくまでおにぎりですが、1日の食事のうち1食をパンに置き換えても同じようにダイエットプログラムを進められると、小澤さんは話します。

1食分を20センチのバゲットに置き換え たんぱく質や野菜と一緒に

おにぎりに置き換えるパンは、バゲットやパン・ド・カンパーニュといったクラストの硬いものを選び、1食80~90グラム。バゲットなら20センチほどが目安とのことで、意外にしっかりボリュームがあります。

「バターやマヨネーズといった油分はできるだけ控え、ハムなどのたんぱく質や野菜で繊維質を一緒にとるのがおすすめ。しっかり噛んで味わうため、20分を目安にゆっくり、よく噛んで食べてください。パン自体の味があるので、濃い調味料は極力避けましょう。挟む食材もできるだけ、噛みごたえのあるものを。パンと具材を合わせて、1食500キロカロリーに抑えるのがポイントです」

小澤さんは現在、管理栄養士でパン職人の岩田直子さんに依頼し、この条件を満たすレシピを考案してもらっているそう。今回その一部を紹介してくれました。

このボリュームで423キロカロリー【写真提供:岩田直子】

【材料】
バゲット 20センチ(80~90グラム)
レタス 約1/2枚(12グラム)
ミニトマト 約3個(30グラム)
フレッシュモッツァレラチーズ 50グラム
ビアソーセージ 2枚(12グラム)
ブラックペッパー 適量

バゲットに切り込みを入れ、ミニトマトやフレッシュモッツァレラチーズは食べやすいようカットし、挟むだけ。彩りもきれいで食べごたえがありますが、423キロカロリーに抑えられたレシピだといいます。

小澤さんは「ボリュームがあるので、夕食としても満足度があると思います。また、昼食とおやつに分けて食べるのもいいですね」とアドバイス。1日の摂取カロリーを女性1500キロカロリー、男性は1800キロカロリー以内にできれば、1食をパンに置き換えても大丈夫だと話します。

「ダイエットで効果を得るには続ける必要がありますから、食事制限のストレスをできるだけ抑えられるプログラム作りが大事だと考えています。だからこそ、パンが食べたい人も『おにぎりダイエット』を無理なくできるよう、アドバイスしたいですね」

ストイックな食事制限で挫折した経験がある人は、少なくないはず。健康的にダイエットするためには、ストレスを溜めにくい、自分に合った方法を見つけたいですね。

◇小澤幸治(おざわ・こうじ)
埼玉県川越市出身。ダイエットトレーナー、株式会社BePLUS代表取締役、BOXPRIME代表、一般社団法人日本婚活ダイエット協会代表理事。日本スーパーライト級のプロボクサーとして活躍し、大手スポーツジムのトレーナー経験からダイエットプログラムを開発。著書「ラクやせおにぎり」(あさ出版刊)ほか、わかりやすい理論とレシピが人気となっている。

© 株式会社Creative2