グラドル美澄衿依「コンプレックスだった大きな胸を好きになれるかも」

日本とアメリカのミックスで、現在は舞台やグラビアで活躍している美澄衿依(みすみえりい)。『週刊ヤングジャンプ』主催のイベント「ギャルコン2021」で準グランプリを受賞し、グラビアデビューを果たした彼女は、グラビア界の新星として注目を集めている。ニュースクランチでは、彼女の素顔を知るべく、芸能界に入ったきっかけやグラビアへの想い、役者としての目標などを聞いた。

▲美澄衿依【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-Interview】

アメリカで過ごしていた幼少期

――美澄さんは幼少期はアメリカに住んでいたそうですね。

美澄:そうですね。細かく言うと生まれは長崎県で3歳までいて、そこから11歳まで家族でアメリカで暮らし、日本へ帰ってきてからは福岡に住んでいました。そこを全てひっくるめて、公式のプロフィールでは福岡出身になっています。

――アメリカに住んでいたということは、英語も堪能ということでしょうか?

美澄:今は日本語のほうが話しやすいのですが、自分のベースは英語だと思ってます。高校生の頃に1週間だけアメリカに帰ったときには、違和感なく英語に切り替えられたので、話す環境に置かれたらすぐに戻りますね。

――日本語の勉強は家だけでしていた感じですか?

美澄 アメリカで日本人学校に週1で通っていたので、なんとか日本語も話せるようにはなりました。自分ではうまく話せているつもりだったのですが、だいぶカタコトだったみたいです…(笑)。

じつは向こうにいたときは日本語が好きじゃなくて、この先、日本に住むとも思っていなかったので、日本人学校に通うのもあまり乗り気ではなかったんです。でも、周りの友達にも恵まれて、気づいたら話せるようになってました。

――美澄さんファンを総称して「グラスキャッパーズ」と呼んでいると聞いたのですが、これは…?

美澄:そんなところまでチェックしていただいて(笑)。去年のお正月休みに、お酒を飲みながら配信を始めたんですが、ちょっといい感じに酔っぱらって、ワインを空けるまで終わらないみたいなテンションになってしまって……。

――あははは! 最高ですね(笑)。

美澄:(笑)。そのなかで「ファンの名前を決めたいね」みたいな話になって、いろんな案が出てきたんですけど、私が出演する舞台やイベントに来てくださるファンの方が、みんな眼鏡に帽子を被っていたんですよ。それでグラス(眼鏡)とキャッパーズ(帽子)を組み合わせて、グラスキャッパーズになりました。ファンの方が決めてくださいました。

――そういう由来だったんですね。

美澄:名称が決まってからは、わざわざサングラスと帽子を被ってくる方もいるし、どなたかがWikipediaにも書いてくれたので、これをずっと背負っていこうと思ってます(笑)。

日本に帰ってきて人見知りだってことに気づく

――現在、美澄さんは舞台やグラビアでも活躍されていますが、もともと小さい頃から芸能界には興味はあったのでしょうか?

美澄:ありました。アメリカに住んでいる頃、よくディズニーチャンネルを見ていたんですけど、そこで一般の子が自分のコレクションを紹介する番組があって、それに応募しようと思ったのが、芸能に興味を持ったきっかけでした。

アメリカに住んでいる祖母も、日本に住んでいる祖母もミステリーが大好きで、一緒にテレビを見ることが多かったので、芸能界に入りたいというよりは、探偵役をやりたいという思いが大きくなっていきました。

――それは役者に興味があったということでしょうか。

美澄:役者というか、探偵役をやりたい! というだけでした(笑)。そこが一番のモチベーションになっていました。

――珍しい動機ですね…! ちなみに、どんなお子さんでしたか?

美澄:とても人見知りでした。親戚の集まりに行っても、親の後ろに隠れちゃうような子でした。でも、打ち解けるとすごく話すようになるので、そのギャップによく驚かれていましたね。

――完全なイメージなんですけど、アメリカで幼少期を過ごすとオープンなマインドになるのかなと思っていました。

美澄:授業では挙手していましたし、前のめりな部分もあったんですけど、初対面での人見知りを長く引きずっちゃうタイプなんです。でも、慣れ親しんだ人や場所ではワイワイ楽しくするタイプで、それは今も変わってないですね。

いま言われて思ったんですが、人見知りというのも日本に来てから気づいたような……。先ほどのイメージの話ですが、アメリカはフレンドリーな人が多いので、周りが積極的に話しかけてくれるから、自分が人見知りな性格なことに気づけなくて。日本に帰ってきて初めて、“私、人見知りだったんだ!”って(笑)。

――幼少期のアメリカでの経験はすごく大きかったと思うのですが、今の美澄さんに影響を与えたことはありますか?

美澄:演技における喜怒哀楽の感情表現は、お芝居を始めたての頃から褒めていただけるのですが、それはアメリカに住んでいた経験が大きいんじゃないかなと思ってます。

▲探偵役をやりたくて芸能の世界に興味を持ちました

友達を見返したくて芸能界へ

――芸能界にはどういう経緯で入ったのでしょうか?

美澄:友達を見返したいという一心でした。ざっくりと説明すると、友達とケンカして しまい、どうしても悔しくて、“有名になって見返してやろう!”という気持ちで、福岡の劇団のオーディションに応募しました。今はもう悔しさは落ち着いています(笑)。

――なるほど、美澄さんはそういう反骨精神が原動力になるんですね。

美澄:それはすごくありますね。言われた一言にすごく傷ついて、いつか見返してやろうと思って頑張ることは多々あります。でも、言った本人は覚えてなくて、一人で消化不良になるときもあるんですけど、まあ、仕事への熱量につながるからいいか、みたいな(笑)。

――それは美澄さんの強みですね。

美澄:ありがとうございます。たしかに、一度決めたことは成し遂げるまでやめないです。たとえば受験でも、自分が“そこに入りたい!”と思ったら、模試が良くない判定でも、どうにかして受かる道を探そうとと努力するタイプです。あと、周りから「やめたほうがいいよ」と言われると、燃えるんですよね(笑)。

芸能界でも挫折しかけたりとか、自分には向いてないのかなって思うことがあるんですけど、「やめたほうがいいよ」と言った方々の顔がよぎっちゃうんですよ。そういう人に「あいつは向いてなかったからやめた」とか、話のネタにされるのがイヤなので頑張ってます(笑)。

――あはははは! 最高ですね、そこまで想像されているんですね(笑)。

美澄:そうなんです。私自身、あまり人に強く出られないタイプなので、ねちっこく闘志を燃やしています(笑)。でも、そういう部分があるから、今も続けられているんじゃないかと思います。

▲ずっと大きい胸がコンプレックスだったんです

――グラビアを始めたのはどういう理由なんですか?

美澄:最初はお芝居をしていたのですが、しばらくファンの方々に向けた配信しかしていない時期が続いてしまって、“なんのために事務所に入ったんだろう?”と悩むことがあったんです。そのときに、集英社さんの「ギャルコン2021」というグラビアのオーディションを見つけて、応募したのが始まりですね。

私は大きな胸がずっとコンプレックスで、高校時代には“さらし”を巻いて生活するくらいだったんです。でも、グラビアってそこをアピールする仕事じゃないですか。もしかしたらグラビアをやることで、自分のコンプレックスを好きになれるかもしれないと思ったんです。

それと、推していたアイドルがグラビアをやっていたので、今後、自分をきっかけにグラビアを好きになってくれる女の子が出てきたらうれしいな、と思って挑戦しました。

――ちなみに、推しというのはどなたですか?

美澄:元でんぱ組.incの最上もがさんです。もがさんの水着グラビアが載っている雑誌を見たとき、もがさんってキレイだし、すごくセクシーなスタイルなのに、いやらしさがない作品としての美しさがあったんです。こういう世界観を私もやってみたいと思えたこともあって、あまり抵抗なくグラビアを始められましたね。

人に言えないくらいガチでやばい(笑)

――影響を受けた俳優さんはいらっしゃいますか?

美澄:たくさんいるんですが、ひとり挙げるとしたら、松たか子さんですね。坂元裕二さん脚本の『カルテット』や『大豆田とわ子と三人の元夫』のお芝居が大好きです。その他にもさまざまな作品を見させていただいて、ただ憧れているだけではなく、いつか共演させていただきたいですし、それを目標に頑張ってます。

――これまで誰かに言われて印象に残っている言葉はありますか?

美澄:二つあります。一つは私が「ギャルコン」を受けようと思ったきっかけにもなっ た、友達の言葉です。大学 4 年で周りが就職先も決まっているなか、私だけまだ迷っていて、友達に「このままでいいの?」って言われたんです。

もう一つは、その頃、芸能活動はフェードアウトして、一般人として生きていくのがいい のかもと思ってたんです。それを友達にポロッとこぼしたら、普段は辛辣な友達が「衿依は芸能活動を続けたほうがいいと思うよ」って。

もしかしたら、私が一般社会で生きていけないことを見越して言ってくれたのかな (笑)。でも、その言葉に救われたし、頑張ってみようかなと思ったし、こうして芸能活動を続けることができているのでその二人には感謝しています。

――いい話ですね。ところで、“一般社会では生きていけない”という言葉がありましたが…?

美澄:いやぁ、人に言えないくらいガチでやばいと思ってます(笑)。たとえば、水道代を払ったと思ったらできてなくて、家に帰ったら水が出ないとかよくあるんです。たぶん、自分でも気づいてない部分が他にもたくさんあると思います(笑)。

――(笑)最後に、これからの目標を教えてください。

美澄 美澄衿依としての目標は、テレビや舞台に探偵役として出ることです。“美澄衿依って探偵役のあの子だよね”というふうになったらいいなと思っています。あと、自分の中では20代でグラビア活動は区切りをつけたいと思っているんです。だから、20代のうちにもっと知名度を上げて、自分を見つけてくれたヤンジャンさんで単独表紙を飾って、恩返しをしたいなと思ってます。

(取材:川崎 龍也)


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