GWまで営業中!まだまだ滑れる【志賀高原】いまベスコンの春スキー!「ざらめ雪の快感」

白く輝く雪面に澄んだ青い空。この写真だけ見ると真冬のようでもありますが、2024年4月11日に撮影しています(撮影:杉村航)

4月も中旬になり、暖かい日が続いていますね。桜前線も北上し、お花見シーズンとなっている地域も増えてきています。

長野県も一気に春めいていましたが、荒天となった4月9日は冷え込み、標高の高いところではお昼前から雨が雪へと変わったそうです。翌日は晴れたのですが、水曜日で定休日となっていました。「一昨日は吹雪だったらしいよ」 そう聞いた筆者は、志賀高原マウンテンリゾート「焼額山スキー場」へ滑りに行ってきました。

■極上の滑走フィーリング! ざらめ雪とコーデュロイバーン

ざらめ雪のコーデュロイバーン。大きな粒が日差しに煌めいている様子は冬とは違った美しさを感じます

「ざらめ(雪)」は、降り積もった雪が溶け、再び凍って…… これを繰り返して“ざらざら”とした粒になった状態です。コーンスノーとも呼ばれる、いわゆる春雪です。自然の山でも春になると出会いやすい雪質で、柔らかく独特の滑り心地でスキーヤー、スノーボーダーを喜ばせてくれます。

さらに「コーデュロイバーン」という言葉を聞いたことはありますか? 朝のゲレンデで、圧雪がかかった雪面を見ると、均一の小さな畝(うね)がギザギザと並んでいます。タオルや服の生地でお馴染みのコーデュロイのように見えることから、コーデュロイバーンと呼ばれています。「グルーミング(バーン)」や「ピステン(バーン)」と言われることもあります。朝の低い光でコントラストがついた状態は見た目にも美しく、まるでアート! 程よく締まった雪は滑り心地も上々です。

春のスキー場なら、そんな二つが掛け合わされた「ざらめ雪×コーデュロイ」の滑走を味わうことができる(可能性が高い)のです! 少し板を傾けるだけで容易にエッジで捉えることのできる雪面。細やかな雪面のギザギザを切り裂く感触はすこぶる心地よく、グリップしやすいので安心。とにかく滑りやすいです。「圧雪斜面の上に積もったパウダースノー」にも引けをとらない気持ち良さがあるのは間違いありません。非常に賞味期限の短い状態なので、朝イチのゲレンデでぜひ味わってください。

■妖怪板掴み! ストップスノーにご用心

ざらめ雪に限らず、非常に楽しい春のスキー場なのですが、問題もあります。それが通称「ストップスノー」です。水分を多く含んだ雪はやがて極端に滑りづらい状態となります。例えば、朝の1〜2本を気持ちよく滑った後、同じコースをさらに滑っていると、突然ブレーキがかかります。まるで足元を掴む妖怪が現れたようで、スピードに乗っていると非常に危ないです。転倒したり関節を痛めたり……。

スキー場のトップからボトムまで、標高差があるようなコースや斜面の向きや傾斜が変わるような箇所では要注意です! なるべく日陰がちな滑走ラインを取ることで多少はかわせますが、「滑らないスキーほど辛いものはない」状態です。裏技として、直前に誰かが滑った後をうまく利用して滑ると回避できる部分もありますが、それも限界がありますね。

とにかく、スピードをしっかりとコントロールして、飛ばしすぎないように注意するしかありません。くれぐれもご用心を。

■春スキーシーズン真っ盛り! 陽気のなかを滑る快感

今シーズンを振り返ってみると、本来のトップシーズンには近年類をみないような暖かさ、そして小雪でしたが、3月に入り状況は一転しました。冷え込みが続き何度も「ラストパウダー」が叫ばれるほどにいい雪が降りました。記憶に鮮明に残るほど記録的な真冬並みの状況でした。4月に入り、一気に暖かくなりましたが、そのおかげで春スキーのコンディションとしては申し分のない日が続いています。

ゲストの安全で快適な滑走のため、定休日には「雪出し」作業をしてくれています(写真提供:志賀高原 焼額山スキー場)

今回取材にお邪魔した焼額山スキー場では、4月にはスキー場営業の定休日を設けてコースへの「雪出し」作業を行なっています。その努力のおかげで、コンディションのいいゲレンデを楽しむことができます。お隣の「奥志賀高原スキー場」をはじめ、志賀高原マウンテンリゾートではGWいっぱいまで営業しているスキー場がいくつもあります。

春スキーの快感は“百聞は一見にしかず”ならぬ「百聞は滑走にしかず」です。スキーやスノーボードを仕舞う前にぜひもう一度、滑りに行ってみてはいかがでしょう。

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