「ツアー転戦は苦しかった」元世界1位ユ・ソヨンが競技人生の終幕を迎える

今大会が現役ラストゲームとなるユ・ソヨン(撮影:南しずか)

<シェブロン選手権 事前情報◇17日◇ザ・クラブ at カールトン・ウッズ(テキサス州)◇6889ヤード・パー72>

海外女子メジャー初戦の「シェブロン選手権」が現地時間18日にいよいよ始まる。今大会を最後にツアー引退を決意したのが、33歳のユ・ソヨン(韓国)だ。

2007年にプロの世界へ入り、11年に「全米女子オープン」でツアー初優勝を果たすと、その後もコンスタントに勝利を積み重ねた。17年には「ANAインスピレーション」(現在のシェブロン選手権)でメジャー2勝目をつかみとり、同年には世界ランキング1位の座に輝いた。18年には「日本女子オープン」で日本ツアー初優勝。米ツアーでは通算6勝を挙げている。

ソヨンは韓国選手のなかでも際だって英語が上手い。「韓国人の寡黙なイメージを覆したかった」「ほかの韓国人選手の助けにもなりたかった」という思いで猛勉強をした英語で、開催前の17日に行われた会見にて流ちょうに心の内を明かした。

ツアー引退を決めた理由は「2020年、コロナで韓国に9カ月戻ったときに、これが本当の生活だと感じた」ことだった。「私は競技には向いていなかったと思う。それに疲れたのかもしれない」とこれまでの競技人生を改めて振り返り、本音を口にした。「でも、世界ランキングで1位になれたことはうれしかった」と輝かしい成績を残したことには満ち足りた表情をのぞかせた。

新型コロナウィルスの影響で試合が中止となり、母国でゆっくり過ごせたことで、大切にするべき『自分の時間』に気づいたという。「朝起きて、家でコーヒーを入れることが私にとって一番の幸せな時間。それがホテルではできない。ツアー転戦は苦しかった」。この大会で競技人生を終えたソヨンは、“一番の幸せな時間”を得ることとなる。

今大会をラストゲームに選んだ理由は「最後に勝ったメジャーがこの大会(当時はANAインスピレーション)。いい思い出があるから、ここで引退しようと思った」。思い出深いこの地が、ソヨンの新たな人生へと続く花道となる。

引退後については「いくつか考えていることがあります」と模索中。「コース設計に興味がある。ジュニアの育成にも携わりたい」とこれまで培ってきた経験を生かしていく。今後もゴルフ界で活躍していく姿が見られるだろう。

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