17日午後11時14分、愛媛県愛南町で震度６弱を観測する大きな地震が発生しました。
地震発生から被害の現状を振り返ります。
宇和島伊達家の菩提寺で屋根損壊
宇和島市にある等覚寺は、400年以上の歴史を持つ宇和島伊達家の菩提寺とされるお寺です。
地震の影響で本堂の屋根瓦の多くが損壊し、落下しました。
朝雲道悟住職は、「本堂は戦争で燃えてるので昭和４０年代に建て直してるんですけど、そこから大きな修繕はしてない。今まで続いてきたお寺をこの先も続かして、守っていかないといけない」と話し、できるところから修繕に取り組むと話していました。
JR予讃線 始発から運転見合わせ
JR四国では18日始発から運転を見合わせています。
予讃線では、松山駅～宇和島駅間の特急列車の上下線で運休。
普通列車では、内子駅経由の伊予市駅～宇和島駅間が午後2時半頃まで運休。
海周りでは、伊予市駅～伊予大洲駅間が終日運休です。
予土線は、窪川駅～宇和島駅間で終日運転見合わせです。
日本を代表する「石垣の里」で倒壊
愛南町の外泊地区にある石垣が立ち並ぶ「石垣の里」でも被害です。
急斜面に建つ民家は、台風や風から家や暮らしを守るために、きれいに積み上げられた石垣。「日本の美しいむら農林水産大臣賞」、「未来に残したい漁業漁村の歴史文化財産百選」にも選ばれるなど、日本を代表する石垣文化の景観スポットです。
今日の愛南町の清水町長は県災害対策本部会議で「石垣の里で被害報告が相次いでいる」と報告するなど、石垣の倒壊が多くみられるということです。
震度6弱で墓石倒壊
愛南町御荘平山にあるお寺・延命寺。
けさ、地震の影響で境内の墓石が多数倒壊しているのが見つかりました。位牌堂ではご位牌も落下。
吉田学生住職が復旧作業にあたっていました。
さらに、位牌堂にかけてあった時計が地震により落下。
時計は地震の発生時刻前後を示していました。
吉田住職は、「時間がかかっても現状を回復させたい。お盆までに元に戻すできれば」と話しています。
300枚割れたお皿
宇和島市の居酒屋食堂「ごはん処 お母ん(おかん)」
２階に置いてあった食器約300枚が落下して割れたということです。
コロナ明けの歓送迎会シーズンで客足が戻ってきたところで襲って来た今回の地震に、店を営む松島陽子さんは落胆を隠せません。
災害関連のＮＰＯ法人の代表理事も務める松島さんは、「能登に支援に行ってきたところで、珠洲とか輪島とか見てきて。今月も行くようにしていたが…」と話します。
自分事として対策を始めようと思っていた矢先での地震でした。
「これが仕事中に、みんながここに集まってやっているような時だったら、人にけががあるんだろうなとすごく恐ろしく感じました。自分が思っていた通りに予めやっておかなければいけなかったと悔やまれます」
気象庁は少なくとも今後1週間は、今回と同程度の地震への警戒を呼び掛けています。
