被買収罪の渡辺典子広島県議の控訴棄却、広島高裁判決 大規模買収事件

広島高裁に入る渡辺被告(右)=18日午後1時3分

 2019年7月の参院選広島選挙区を巡る大規模買収事件で、河井克行元法相(61)=仮釈放中=から現金10万円を受け取ったとして、公選法違反(被買収)の罪に問われた広島県議渡辺典子被告(39)=広島市安佐北区=の控訴審判決が18日、広島高裁であった。森浩史裁判長は罰金10万円、追徴金10万円とした一審広島地裁判決を支持し、控訴を棄却した。有罪判決が確定すれば、渡辺被告は失職する。

 昨年7月の広島地裁判決は、現金を受け取った時期や場所などを踏まえ「買収の趣旨があり、被告自身も認識していたと推認できる」と指摘。克行氏の妻案里氏(50)=有罪確定、参院選の当選無効=の選挙運動をする報酬として19年5月29日ごろ、安佐北区内で克行氏から現金10万円を受け取ったと認定した。

 控訴審で渡辺被告側は、現金の趣旨について「例年の夏の寄付金。買収の趣旨ではない」などとし、あらためて無罪を主張していた。

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