地震から一夜明け…落石で道路寸断、断水、瓦崩れ、ボトル・グラス床に散乱 被害が明らかに 愛媛県・高知県で最大震度6弱

17日夜、四国地方で発生した震度6弱の地震で、これまでに9人のけがが確認されている。地震から一夜明け、高知県と愛媛県では建物の瓦が落ちるなど被害があった。

17日午後11時14分ごろ、愛媛県の愛南町と高知県の宿毛市で震度6弱を観測する強い地震があった。

震源の深さは39キロ、地震の規模を示すマグニチュードは、6.6と推定される。

地震から一夜明け、各地の被害状況がみえてきた。

堀田篤アナウンサー リポート「宿毛市の上空です。屋根の端の瓦の部分がはがれて中の土が見えてきています。」

震度5弱を観測した愛媛県・大洲市の上空からの映像では、大きな石など散乱し、道路が寸断されているのが確認できる。

愛媛県宇和島市では、94歳の男性が割れたガラスで手を切るなど、愛媛県で6人、高知県で1人、大分県で2人、あわせて9人のけが人が確認されている。

気象庁は今後1週間程度、震度6弱程度の地震に注意を呼びかけている。

酒のボトルやグラスが床に散乱 高知・宿毛市から中継

震度6弱を観測した、高知県宿毛市(すくもし)から田村優介アナウンサーが中継で伝える。

田村優介アナウンサー:
酒のボトルやグラスが床に散乱しています。非常に危険な状態です。こちらは高知県宿毛市の中心街にあるバー「ホワイトハウス」です。

昨夜の地震で震度6弱を観測、あらゆるものが落下しました。

ーーどんな揺れでしたか?

マスターの国常章人さん:最初ぐらぐらっときたなと思ったら、そこからすごい揺れが来て、お客さんと声を掛け合いながら避難しました。津波がこなかったので良かったです。

ーーけがなどはなかった?

国常さん:カウンター内で作業をしていましたが、カウンターの中に落下防止用のストッパーを付けていまして、揺れはすごかったんですけど、最小限の被害で済みました。対策して良かったです。

ーーこのストッパーのバーがあったことでお酒がある程度守られたということですね

国常さん:すごく揺れたのでなかったら落ちていたと思います。

高知県内は地震による軽傷者が1人と、人的被害は少なかったものの、瓦が壊れた住宅などが多く見られています。復旧作業はこれから本格化します。

愛媛県宇和島市 10世帯余りが断水

続いて、愛媛県宇和島市から内木敦也アナが中継で伝える。

内木敦也アナ:
震度5強を観測した愛媛県宇和島市です。私が今いるのは、宇和島市の中心部ですが、目の前は、高知県から愛媛・松山市を結ぶ幹線道路、国道56号線が通ります。

そしてその真横の民家の瓦に注目しますと、瓦の上に土のようなものがかぶさっているのが見えます。私が最初に現場に着いたのは朝7時30分過ぎでしたが、その頃は瓦が大きく崩れていて横の歩道にまで瓦が落ちて散乱している状況でした。現在は修繕作業が行われていて、これ以上瓦が落ちないような処置が行われているそうです。

県内の状況は、震源に近い、県南部の宇和島市などでは他にも石垣が崩れるなどの被害が出たほか、10世帯余りが断水していて、夜が明けてから市や町が状況を確認しています。

消防などによりますと、この地震で県内では宇和島市で94歳の男性が割れたガラスで手を切ったほか、東温市で63歳の女性が逃げようとして階段から落ち、左手の小指を骨折するなど、あわせて6人がケガをしたということです。

またJR四国によりますと、予讃線の松山~宇和島駅間や予土線は始発から現在も運転を見合わせています。

「南海トラフ地震との直接の関連なし」気象庁

今回の地震は南海トラフ地震で想定される震源域の中で起きたが、気象庁は地震のメカニズムが違うことなどから巨大地震の可能性が急激に高まったわけではないとの認識を示している。

南海トラフ地震は、今後30年以内に70パーセントから80パーセントの確率で発生が予想されている巨大地震で、今回の地震はこの想定震源域で起きた。

気象庁は想定震源域でマグニチュード6.8以上の地震が起きた時に巨大地震の可能性を評価しますが、今回のマグニチュードは6.6と基準を下回ったことから臨時の検討会は開催しなかった。

また、南海トラフの地震は、プレートとプレートの境界付近で想定されているが、今回の地震はこれよりもやや深く沈み込むプレートの中で起きた。

さらに今回の地震は、岩盤が引っ張られて上下にずれ動くタイプで、気象庁は南海トラフ地震とはメカニズムが異なることなどから、巨大地震の可能性が急激に高まったわけではないとの認識を示している。

一方で、南海トラフの巨大地震がいつ起きるか分からない切迫した状況に変わりはなく、日頃からの地震への備えが重要だ。

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