【F1】中国GPコースの〝危険性〟に不安 タイヤ供給ピレリの事前調査できず「異例のこと」

F1中国グランプリが開催される上海国際サーキット(ロイター)

今週末に開催されるF1中国グランプリ(GP、20日=スプリント、21日=決勝)に向けて不安が高まっている。

オランダのモータースポーツ専門メディア「レーシングニュース365」は「フェラーリのフレデリック・ヴァスール代表が、今週末の中国GPに向けて最大の疑問符として、舗装路とF1の18インチタイヤがどのように機能するかであることを明らかにした」と指摘。会場の上海国際サーキットは近年使用されていない上に、最近になって再舗装したため、何らかの不備が生じる懸念が出ているのだ。

「懸念をさらに大きくしているのは、タイヤ供給メーカーのピレリが、最近ほとんど使用されていないサーキットの状態を評価するためにエンジニアを派遣することができていないということだ」とピレリによる事前チェックができていないことが不安を増幅させているとした。

この点は注目を集めており、ドイツメディア「シュポルト」も「アスファルトを含め、不確実要素が数多くある。何年も使われていなかったという指摘もあれば、ルートが再び舗装されたという指摘もある。湿地帯に建設されたルートのため、肉眼では見えない段差ができている可能性もある。しかしピレリの18インチタイヤは上海では一度もテストされていない」と分析。そして「新設または長期間使用されていないトラックの場合によくあることではあるが、事前にトラックをチェックするためにエンジニアを派遣することができなかった。これは異例のことだ」と追及。中国側がピレリによる調査を〝拒否〟したことで、コースの危険性が不安視されているのだ。

しかも、今週末は雨予報も重なっている。英メディア「プラネットF1」は「上海インターナショナル・サーキットは最近再舗装されたため、今週末に雨が降った場合、2020年トルコGPの再来となる懸念が生じている」と報道。各チームが再舗装されたばかりの滑りやすい路面と降雨により大混乱に陥ったレースを引き合いに出して、不安を強調した。

波乱の予感が渦巻く中国GP。絶好調のRB角田裕毅は躍進を遂げることができるのか。

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