【葬儀のマナー】香典袋の中包みの書き方、お金の入れ方は?50代から心得ておきたい冠婚葬祭の常識

香典袋の中包みには、金額や住所、名前などを記入します。お金の向きや外包みへの入れ方などにも細かなマナーがありますから、大切に考えましょう。現代礼法研究所主宰の岩下宣子さんに教えてもらいました。

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中包みの書き方

中包みには、金額、住所、名前を書きます。住所まで書くというのは、事後処理に必要だからです。通夜や葬儀・告別式など、誰が来るかわからない場合、外包みから出したときに、誰からいくらいただいたのかわからなくならないように、きちんと記載するのがマナーです。

数字の書き方もしきたりどおりにしましょう。

表側

金額
表側の中央に「金◯阡円」「金◯萬円」と書きます。「也」はつけません。金額の数字は正式には「大字」で書きますが、漢数字でもかまいません。市販の袋で裏側に記入欄がある場合には、そこに書き入れます。

裏側

自分の住所氏名

左下方に住所氏名を書きます。贈られた側がお返しや返礼の準備をするのに必要なので、親しい間柄でも必ず記入しましょう。所番地の数字は、通常の漢数字でOK。記入欄がある場合は、そこに書き入れます。

お金の入れ方

中包みにお金を入れる際にも、細かな決まりごとがあります。中包みを外包みに入れる向き、外包みの折り方などもしきたりどおりにしましょう。

特に、外包みの折り方は祝儀と不祝儀では逆なので注意が必要です。

気持ちを届けようとしているのに、ちょっとしたことで常識を問われるのは損。細部まで気を抜かず、決まりごとに沿ってていねいに準備を。

紙幣の向きにも決まりがあります。中袋を表から見てお札の人物の顔が上になるように入れます。中袋が封筒型の場合、表側上に人物の顔が向くように入れましょう。

中包みを外包みに入れる向き

外包みの表書きの裏になる面に、中包みの表を向けて入れます。その後、①、②の順に重ねます。

外包みの折り方

慶事と弔事では重ね方が反対です。お金を入れるときに香典袋を開いてしまうと、どちらが上だったかわからなくなりますね。「喜びは上向き、悲しみは下向き」と覚えておきましょう。

慶事には新札、弔事には古い札は嘘

慶事には新札、弔事には古い札をという人がいますが、これは間違い。

贈り物をするときは清浄なものを差し上げるのが基本です。香典に新札を使うのはあらかじめ準備しておいたようで失礼だといわれますが、紙幣は清潔であることもたしなみですから、しわしわの古い紙幣を入れるのは非常識です。

弔事では新札を一折りして入れるのが品のいい方法です。

※この記事は『50代からの冠婚葬祭きちんとマナー』岩下宣子監修(主婦の友社)の内容をWeb掲載のため再編集しています。

※2023年8月18日に配信した記事を再編集しています。


監修者
現代礼法研究所主宰 岩下宣子

共立女子短期大学卒業。全日本作法会の内田宗輝氏、小笠原流の小笠原清信氏のもとでマナーを学ぶ。1985年、現代礼法研究所を設立。多数の企業や公共団体などでマナーの指導、研修、講演、執筆活動を行う。NPO法人「マナー教育サポート協会」理事長。『美人のことば練習帖』(三笠書房)、『40歳までに知らないと恥をかく できる大人のマナー260』(KADOKAWA)、『書き込み式おつきあいを大切にする安心メモリー帖』(池田書店)、『冠婚葬祭マナーの新常識』(主婦の友社)など、著書、監修書多数。

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