「あの事故さえなければ...」バドミントン桃田賢斗の“代表引退”を惜しむ声が続々!「このまま世界一を目指すところにはいけない」と決断理由を説明

バドミントン男子シングルスの桃田賢斗の日本代表引退を惜しむ声が数多く寄せられている。

4月18日、元世界ランク1位の桃田は都内で会見を開き、中国・成都で開催される国・地域別対抗戦のトマス杯(27日開幕)を最後に日本代表を引退すると発表した。

波乱万丈の競技生活だった。2013年にNTT東日本に入り、14年にトマス杯で日本の初優勝に貢献。日の丸を背負い着実に力をつけたものの、16年4月には違法賭博問題で出場停止処分。17年5月に復帰してからは、世界の頂点に上りつめた。

五輪金メダルが有力視されていた日本のエースだが、20年1月にマレーシアで交通事故に遭い、右目の眼窩底骨折で手術を受けたことで、全ての歯車が狂った。新型コロナウイルスで延期となった21年東京五輪は1次リーグ敗退に泣いた。

昨年5月から始まったパリ五輪選考レースは、上位2枠の出場切符をかけてポイントを競った。だが結果が出ずに苦しみ6番手にとどまり、2大会連続出場を逃していた。
今回、代表引退の決断に至った理由は「2020年1月の交通事故から苦しいこともたくさんあった。自分のなかで思うようなプレー、試行錯誤してやってきたつもりでしたが、気持ちと体のギャップが続いていくなかで、このまま世界一を目指すところにはいけないと判断した」と話し、さらに「まだ自分が動けるうちに、ジュニアの選手やバドミントンをしている子どもたちと羽を打つ時間がほしい」と明かした。

そんな彼は、「代表に選んで頂いてから約10年間、ほとんどがしんどい事だらけでしたが、凄く貴重な経験もさせて頂きましたし、とても充実した代表人生だったと思います」と振り返り、「ここまで何のストレスもなく続けさせて頂けたのも、本当に周りの人のサポートであったり、応援のおかげだと思っている。とても長いようで短く、トータルでは凄く幸せな時間だった」と感謝の気持ちを伝えた。

世界大会で個人戦通算26勝の桃田の代表引退に「オリンピックの金メダルが見たかった」「世界的に見ても歴代最高のプレイヤーの一人だったと思う」「これからも皆の憧れの選手であってほしい」「強かったのに運に恵まれなかった...」「まじか...あの事故さえなければ」などと、ファンは悲しんだ。

今後は、「代表は引退しますけど、NTT東日本バドミントン部としての活動は続けます」と伝えたうえで、「これからはチームの練習だったり、地域貢献活動に積極的に参加していきたい。あとはもっとバドミントンの楽しさを感じてもらえるようなイベントを自分から発信していきたいと思います」と誓った。

構成●THE DIGEST編集部

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