中国人民銀行、与信の「一方的な」拡大けん制 量より質優先

[北京 18日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)は18日、与信の「一方的な」拡大を追求すべきではないとし、量よりも質を優先する意向を示した。既存の金融資源を活性化する措置も導入する。

3月の同国の新規銀行融資は前月比で増加したものの、市場予想には届かなかった。

人民銀行党委員会は人民日報の記事で、技術革新、グリーン製造業、小規模企業への与信を増やす方針を表明。

「経済が高速成長から質の高い発展へと移行するのに伴い、規模の一方的な追求という従来の考えを改め、質と効率を優先するという考え方を確立することがこれまでにも増して必要になっている」と指摘。

「信用の配分は、最終的には実体経済の質の高い発展というニーズに沿ったものでなければならない。重要なのは、多ければ多いほど良いということではなく、レベルをよく把握することだ」と述べた。

その上で、バランスの取れた信用の配分を維持し、融資の伸びの安定性と持続可能性を高めるよう金融機関を指導する方針を示した。

今年のマネーサプライと社会融資総量の伸びが、経済成長目標とインフレ目標に合致した水準になるとも予想。

「実体経済に対する金融サービスの質と効率を改善する上で、既存の信用を活性化させることが非常に重要だ」とし、一部の企業・産業が非効率に利用している金融資源を解放する措置を講じる方針を示した。

国内の人民元建て融資残高は250兆元(34兆5500億ドル)に近づいているという。

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