札幌地裁判決 アイヌ先住権訴訟 原告の訴え棄却

全国で初めてアイヌ民族の先住権の確認を求めた裁判で、札幌地裁は原告らの訴えを退けました。この裁判は十勝の浦幌町のアイヌ民族団体「ラポロアイヌネイション」が地元の川でサケ漁を行う先住権の確認を求めて、国と道を訴えていたものです。

札幌地裁はきょうの判決でアイヌ民族が享有する文化は重要であるとして団体のサケの捕獲権は認めましたが、公共の河川での伝統的な儀式を超えたサケ漁については、財産権の側面が強いとして原告の訴えを退けました。

原告・差間啓全さん「率直に言ってこの判決は私は不服に思います。アイヌの先祖の人たちが各地の河川で生業としてサケを獲っていたのは間違いのない事実」

市川弁護士「経済的活動を含まなければ文化ではない。これは国連の人権規約委員会でも90年代に認められている」

裁判で原告側は江戸時代からサケ漁をしていたアイヌ民族は慣習法や国際法からも先住権が認められるとして、経済活動としてサケ漁を営む先住民族固有の権利を主張していました。一方、国と道側は河川でのサケ捕獲は法律で禁止されていると主張し、歴史的経緯に対する認識は示していませんでした。原告らは控訴する意向を示しています。

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