連合の春闘賃上げ率、4次集計は5.20% 中小組合が健闘

Kentaro Sugiyama

[東京 18日 ロイター] - 連合が18に日発表した2024年春闘の4次集計は、基本給を底上げするベースアップ(ベア)と定期昇給(定昇)を合わせた賃上げ率が平均で5.20%となった。3次集計からやや下方修正されたが、前年同時期比では1.51ポイント上昇し、高い水準を維持した。中小組合が健闘しているという。

賃上げ率は1991年の5.66%(最終集計)以来33年ぶりの高水準。会見した芳野友子会長は高い賃上げ率が維持されていることについて「ステージ転換に向けた大きな第一歩だ」と評価した。

傘下労働組合の要求に対する4月16日午前10時時点の企業側回答をまとめた。「平均賃金方式」で回答を引き出した3283組合の賃上げ額は加重平均で1万5787円、賃上げ率は5.20%だった。

このうち300人未満の中小組合2123組合の賃上げ額は平均で1万2170円、賃上げ率は4.75%で、3次集計時点の4.69%から上昇した。芳野会長は「集計を重ねるたびに上昇しており、心強く感じる」と語った。賃上げ分の価格転嫁の取り組みについて「少しずつだが前進している」との見方も示した。

ベアと定昇を明確に区別できる2587組合のベア額は1万0827円、率は3.57%だった。

4月4日に発表した3次集計の賃上げ率(定昇込み)は5.24%。例年、集計を重ねるにつれて賃上げ率は下がっていく傾向にあるが、今年は下方修正が小幅にとどまっている。直近まで実質賃金の前年同月比マイナスが続いているが、芳野会長は「今回の賃上げを受けてこれから見通しが変わってくるのではないか。(好転を)期待したい」と語った。

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