子犬は何歳まで?成犬になったら変えなければならない飼育方法やごはんの与え方まで

何歳までが「子犬」なの?

生後12カ月までは子犬で、1歳の誕生日を迎えて成犬になる、というイメージをお持ちの方もいらっしゃるのではないでしょうか。

一般的には、「生後10カ月~1歳半まで」の間を子犬としています。しかし、実際にはもう少し細かく分けて考えられています。なぜならば、小型犬と大型犬を比べたとき、大型犬の方が成長するスピードが緩やかであるからです。

では、具体的にその違いについて確認してみましょう。

「超小型犬」と「小型犬」の場合

超小型犬と小型犬は、「生後10カ月まで」の間を子犬としています。

超小型犬は、成犬になったときの体重が4㎏以下の犬種のことを言います。小型犬は、成犬になったときの体重が10㎏未満の犬種のことを言います。

中型犬の場合

中型犬は、「生後12カ月まで」の間を子犬としています。成犬になったときの体重が11㎏以上25㎏未満の犬種のことを言います。

よく「小型犬と中型犬のどっちなの!?」と議論されるのが柴犬ですが、体重5㎏程度の柴犬もいれば、体重15㎏程度の柴犬もいます。

この場合、柴犬は体の大きさの違いで子犬とされる年齢が変わるのか、疑問に思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。

必ずしも同じ犬種が同じように成長するわけではない、と考えてみるとよいと思います。

大型犬の場合

大型犬は、「生後1歳半まで」の間を子犬としています。成犬になったときの体重が25㎏以上の犬種のことを「大型犬」と呼びます。

大型犬は、生まれたときの体重と成犬になったときの体重を比べると、70倍程度にまで成長するとされています。超大型犬であれば、100倍程度とされています。

大型犬や超大型犬の体重の増加スピードは一定ではありません。緩やかに増えるタイミングもあれば、著しく増えるタイミングもあります。

超大型犬である犬種は、生後2年頃まで成長(体重の増加)が続く場合があります。

成犬になったら変えなければならない飼育方法

人間の子供も、生まれたての乳児のときとある程度大きくなってからの育て方が異なるように、犬の場合も、子犬の時期から成長して「成犬」となった暁には、飼育方法も変える必要があります。

ここでは、その具体的な飼育方法の変化について解説します。

ごはんを「子犬用」から「成犬用」に切り替える

子犬と成犬とでは、必要とする栄養素や量に違いがあります。

市販されているドッグフードには、「子犬(パピー)用」「成犬用」「○歳から」などと表示されていますので、目安にすることができます。

手作りのごはんを与えることがある場合、成犬となった愛犬が必要とする栄養素は何か、必要とする量はどれくらいなのか、難しい知識を必要とすることがあるでしょう。

過不足があっては…と心配される場合には、かかりつけの獣医師に相談しましょう。今現在の愛犬の健康状態を知る機会にもなると思います。

お散歩の時間を延ばす

子犬には「社会化期」というものがあり、お散歩も大事な学びの時間だったかと思います。何かとトラブルもつきもので、のんびりじっくりとお散歩を楽しむ余裕がなかった日もあったでしょう。

しかし成犬になり、すれ違う他人や他犬の存在等、様々な刺激を受けることにも慣れ、安全に落ち着いてお散歩することができるようになったのであれば、お散歩の時間を延ばし、のんびりじっくりと楽しむ余裕も生まれるでしょう。

運動量を増やす

子犬と成犬とでは、必要とする運動量が違います。子犬と同じように運動させていては、成犬となった愛犬が運動不足になったり、ストレスを抱えたりする原因になります。

日頃のお散歩に加えて、ドッグランで思いっきり走らせてあげることで、運動量を増やすことができます。

成犬になったら、運動の「量」だけではなく「質」にもこだわってみるとよいと思います。ドッグランがなければ、お散歩中に「歩く」と「駆け足」を組み合わせることで、運動の質を高めることができます。

マーキング対策をする

成犬になると、去勢手術や避妊手術を受けているかどうかに関わらず、オス犬もメス犬もマーキングをするようになることがあります。

『オス犬は去勢すればマーキングをしなくなる』と聞くことがあるかと思いますが、去勢していなくてもマーキングをしない犬もいれば、去勢していてもマーキングをする犬もいます。

マーキングをする意味は、縄張りを主張するためだけではありません。他の犬への挨拶代わりに、自分のニオイを残すためにマーキングをする場合もあります。

マーキングは犬の本能による行動であるため、しつけで抑えつけることは難しいです。マナーベルトやマナーパンツを履かせることで、周囲の迷惑にならないよう対策しましょう。

まとめ

犬は、一般的には生後10カ月~1歳半までの間を子犬としていますが、体の大きさや犬種によって異なる場合がある、ということをご理解いただけましたでしょうか。

性成熟するタイミングは、犬それぞれ個体差がある、とも言えるかもしれません。

犬はあっという間に成長し、成犬になります。子犬にどのような変化があり、どのような学びや成長が見られたのか、毎日じっくり慎重に観察するとよいと思います。

(獣医師監修:寺脇寛子)

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