中国人民銀には追加策の余地、弱い信用需要に対処必要=幹部

[北京 18日 ロイター] - 中国人民銀行(中央銀行)の幹部は18日、人民銀には景気支援策を講じる余地がまだあるとの認識を示した。ただ実際の信用需要が弱く、マネーが銀行システム内にとどまることを防ぐ必要があるとの見解を示した。

朱鶴新副総裁は記者会見で「これまで導入してきた一連の金融政策措置が徐々に効果を発揮しており、経済は回復を続けている」と述べた。

「この先も金融政策を打ち出す余地は残っている。政策の効果や景気回復、目標の達成状況を注視しながら適切なタイミングで活用していく」と説明した。

人民銀の鄒瀾金融政策局長は同じ会見で、一部の銀行が必要以上の融資を行っているほか、一部の企業が低利融資を利用して金融商品を買ったり、他の企業に貸し出したりしていると指摘。「未活用資金」が積み上がるのを防ぐ努力をすべきと訴えた。

「信用需要は過去数年と比べて弱まっており、信用構造も最適化され改善されている」との認識を示した。中国のマネーサプライの伸びは鈍化する可能性があるとし、前年比の伸びだけに注目すべきでないと述べた。

人民銀はマネーサプライおよび与信と流動性の広義の指標である社会融資総量の24年の伸びが成長率とインフレ率の目標と一致するとの見通しを示している。

<金利、低すぎてはいけない>

鄒金融政策局長は、生産者物価で調整した実質金利は製鉄など一部業種で高止まりしているが、資金調達コストが高いのは生産能力の管理や在庫圧縮を促すことにもなると指摘。

金利を適切な水準に維持するが、「構造的調整の原動力を弱めることは避け、金利が低くなりすぎないようにすべきだ」と述べた。

朱氏は中国には外国為替市場の安定を維持する自信も条件も能力もあると表明した。

人民元を巡る一方的な期待の形成を防止すると強調。「元相場の基本的な安定を維持するという目標と決心は変わらない」と述べた。

人民銀は今年、銀行の預金準備率を50ベーシスポイント(bp)引き下げている。ロイターのアナリスト調査では、第3・四半期にさらに25bpの引き下げが見込まれている。

人民銀系の金融時報は、専門家の話として、人民銀が将来的に国債の売買を政策手段に加える可能性があると伝えた。

© ロイター