<フジサンケイレディス 事前情報◇18日◇川奈ホテルゴルフコース 富士コース(静岡県)◇6494ヤード・パー71>
好きか、嫌いかの質問には迷うことなく「好きです」と答えた。昨年は1打差の2位タイ。最終日の残り2ホールまで首位だった。一昨年は3位で、初出場だった2021年は8位。安田祐香がツアー初優勝をつかみ取るために、悔しい思い出が残る川奈に帰って来た。
「いろいろとよみがえる思いもあるけど、回りやすくて、景色もきれいで好きなコースです。プレッシャーもないし、今年も楽しくラウンドできたらと思います」
涙のV逸となった昨年など過去2年は終盤の2ホールに落とし穴が待っていた。1981年から2004年まで開催された男子の「フジサンケイクラシック」時代から数々のドラマを生んだ17番パー3と、打ち上げの砲台グリーンと深いアリソンバンカーが待ち構える18番パー4。昨年は2日目、最終日とも、いずれもボギー。おととしの最終日は17番がボギー、18番はダブルボギーと失速した。これまで3度の出場で17番と18番でバーディはなし。悲願の初優勝には、この2ホールの攻略が絶対条件となる。
「17番はグリーン手前、グリーン奥、バンカー、右のがけ下など、どういう状況になっても対処できるように、いろいろと想定してきのうときょうで練習した。18番の2打目の残りは大体170ヤードくらい。ユーティリティで打つことになれば左から乗せることを想定しています。グリーン右奥の最終日のピン位置もイメージして練習しました」
昨年の3日間トータルの平均ストロークで17番は3.4148でで2番目、18番は4.3370で3番目に難しいホールとなった。Vのカギを握る上がりの2ホール。「そんなに苦手意識はないのですけど」と苦笑した23歳は、4度目の正直に向けて準備を整えた。今季はまだトップ10入りはなく、メルセデス・ランキングは47位。だが、「ショットがいいときはパットが悪かったり、その逆だったりですね。でも、焦りはまったくありません」と表情に暗さはまったくない。
会場が現在の川奈に移った05年以降、この大会は18度の開催(20年はコロナ禍で中止)で10人のツアー初優勝者が誕生している。その流れに今年こそ乗りたい。「イメージはいい。またチャンスが巡ってきたらいいかな」。優勝争いに敗れたこともプラス思考で前向きにとらえ、今度こそ笑顔で54ホールを回り切る。(文・臼杵孝志)