「農家がコメ作りやめ、今後の稲作に懸念も」被災した水田 田植えに向け苗づくり

能登半島地震で農業にも大きな被害を受けた石川県珠洲市では、復旧作業が今も続いています。こうした中、地元の農家が今年の田植えに向け動き出しました。

珠洲市正院町に広がるおよそ120ヘクタールの水田。長年、米作りなどを行う谷内前吉昭さんも、地震により田んぼに水を送るパイプラインが破損する被害を受けた1人です。

谷内前吉昭さん
「4月いっぱいに復旧すれば良いかなと感じはしていますけど、具体的な時期はまだわかりませんね」

水田の復旧もさることながら、地震により集落の農家がコメ作りをやめ、今後の稲作に影響が出ることが1番の懸念です。

地震による離農について
「10戸以上が2次避難とかされているので、そうした方のために1年だけ引き受ける」
「地域の共同作業がありますんで、そういう面では、辛い事です」
「江堀りとか電気柵の設置とか人出不足になるんでないかな」

谷内前さんは今年の田植えに向け動き出しました。真っ白な苗。ボランティアの助けを借りて、芽が出たばかりの苗をビニールハウスに並べました。

芽が出てどんな想い?
「こんでゆっくりでも良いから田植えが出来るかなという気はしていますけど」

例年より半月ほど遅れる事が予想される今年の田植え。谷内前さんはコメを作り続ける思いについて「やっぱり農家として生まれて水を張って田植えする事が復興の第一歩だと思うので、田植えは是非やっていきたい」

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