中国は世界貿易成長の重要な駆動力 WTOチーフエコノミスト

中国は世界貿易成長の重要な駆動力 WTOチーフエコノミスト

10日、新華社の取材に応じるラルフ・オッサ氏。(ジュネーブ=新華社記者/連漪)

 【新華社ジュネーブ4月18日】世界貿易機関(WTO)のチーフエコノミスト、ラルフ・オッサ氏はこのほど、スイス・ジュネーブで新華社の取材に応じ、中国経済は世界貿易の成長を支える重要な要因となるとの見方を示した。

 WTOは10日発表したリポートで、2024年は世界のモノの貿易量が2.6%増えるとの見通しを示した。うち、アジア地域は輸入が5.6%増、輸出が3.4%増と予測した。

 オッサ氏は、中国が世界貿易成長の重要な駆動力になると指摘。中国による欧州でのビザ(査証)免除措置対象国拡大や海外旅行の回復が世界サービス貿易拡大の有利な要因になるとの認識を示した。

 オッサ氏は、エネルギー価格の高止まりや持続的なインフレにより、23年は世界の貿易量が1.2%減少したことにも言及し、新規輸出受注指数からは24年初めの世界貿易回復の条件がある程度改善したことが明らかになっているものの、地域衝突や地政学的緊張、経済政策の不確実性などがいずれも世界貿易回復を大きく鈍らせるリスクになるとした。

 さらに貿易政策の不確実性を減らすことで、世界貿易の回復の勢いを確かなものにするよう呼びかけた。

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