HS40m/sでも扱いやすい!? 『TP5x』で飛距離もスピンも手に入る

ドライバーのヘッドスピード40m/sのアマチュアゴルファーでも、最新ギアを使いこなせるのか? ベストスコア「67」、ホームコースのハンディキャップ「0」を誇る元競技ゴルファーでロマン派ゴルフ作家の篠原嗣典が実際にコースに持ち込んで検証しました。

【注目ポイント】
『TP5x』は、2024年2月16日に発売されました。テーラーメイドのツアーボールとして、フラッグシップモデルとなります。姉妹ボールの『TP5』も同時発売です。

“ソフ飛び系。次世代TP5X。”が、『TP5x』のコピーです。「ソフ飛び系」という造語を作ったところが、新しいボールへの力の入り具合が伝わります。また、『TP5 ボール シリーズ』共通のコピーでは、“この打感で この飛距離。新しい5ピースで あなたの14本を覚醒させる。”というものも使われていて、ツアーボールというのは、ドライバーだけが飛ぶとかではなく、全てのシーンで高性能であることが宿命なのだと明確に定義付けたと感じさせるのです。

新しくなった『TP5x』は、「新スピードラップコア」という新しいコアを採用しました。このコアが、史上最速のボール初速を実現するそうです。そして、ソフトな打感を追求して、心地良い打音を響かせるのも、新しい『TP5x』の特徴だとのことです。やわらかい打感でも、飛距離性能が優れているというのが、2024年のゴルフボールのトレンドになっています。『TP5x』は、トレンドの中に直球勝負を挑むボールなのです。

『TP5x』は、契約している男子ツアープロの多くが使用しています。そして、新しい『TP5x』にチェンジして、好成績を残しています。良いツアーボールなのだろう、という予感をさせます。ワクワクする試打となりました。ツアーボールとしての完成度は? じっくりと打ちました。試打した日は、快晴、気温は1℃~7℃。やや風あり。グリーンは10.5フィートの速さでした。

【打感・打ち応え】
『TP5x』の打音は、やや大きめの音量で、音質は濡れた鞭系の音を響かせるのが得意です。打ち応えは、かなりやわらかく、潰れ感があります。手応えは敏感で、クリアです。

【弾道・球筋・スピン性能】
『TP5x』の弾道は、ウッド系は低スピン系の強いボール、ショートゲームになると伸びが出ます。少しつかまり感があります。曲がりには敏感です。スピンはツアーボールらしく、その場で止まろうとします。

【飛距離性能】
『TP5x』の飛距離性能は、トップレベルの中で、更にトップ争いが出来ます。ドライバーからウェッジまで、まんべんなく飛距離が出ます。ツアーボールの中でも特別です。

【ロマン派ゴルフ作家語る】
『TP5x』は、発色を抑えていて、ブランドロゴも大きくないので、地味な感じに見えますが、赤いボールナンバーが、締まった印象を抱かせます。アプローチと、パットで、硬質な高音がするところが、いわゆる伝統的なツアーボールの系譜を感じさせました。この感じの良さだけで、十分に合格だと思います。

アプローチのときのスピン性能は、かなり強めに入ります。これを上手く使えるかどうかが、『TP5x』を使い熟せるかどうかのポイントです。ショットの時の打音も綺麗で、比較的大きめに響きます。それと、飛距離性能がマッチするのです。飛距離型のツアーボールの王道中の王道です。

飛距離特化型のツアーボールが好きなゴルファーに『TP5x』をオススメします。また、ショートゲームで伝統的な硬質高音の打音が好きなゴルファーにも『TP5x』がオススメです。

実は、姉妹ボールの『TP5』は、ヘッドスピードが速いゴルファーを対象にチューニングされていると感じることがあったのですが、『TP5x』は、それはあまり感じませんでした。ヘッドスピード40m/sのゴルファーでも、十分に使えると感じました。ヘッドスピードが速くなくとも、ツアーボールが使いたいゴルファーには、『TP5x』のほうが使いやすいと言えると思います。

『TP5x』は、飛距離特化型のツアーボールとして、かなりの完成度を誇るボールになりました。スコアを追求する意味で、必要不可欠になるのがツアーボールというアイテムです。『TP5x』は、多くのゴルファーにとって、使いやすいツアーボールになっています。ツアープロが選択して、絶賛した意味を知りたければ、使うしかないのです。

【試打ギアスペック】
『TP5x』

構造 5ピース
コア 新スピードラップコア
カバー キャストウレタンカバー
ディンプル ツアーフライトディンプル
カラー ホワイト ※他に、イエローもあり

【著者紹介】篠原嗣典
ロマン派ゴルフ作家。1965年東京都文京区生まれ。中学1年でゴルフコースデビューと初デートを経験し、ゴルフと恋愛のために生きると決意する。競技ゴルフと命懸けの恋愛に明け暮れた青春を過ごし、ゴルフショップバイヤー、広告代理店、市場調査会社を経て、2000年よりキャプテンc-noのペンネームでゴルフエッセイストに。日本ゴルフジャーナリスト協会会員。ベストスコア「67」、ハンディキャップ「0」

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