「結局、先入観なんですよ」北朝鮮代表の“ダーティー”な印象について鄭大世がどうしても伝えたいこと「槙野に聞いても…」

北中米ワールドカップのアジア2次予選、北朝鮮代表と戦った日本代表が1-0で勝利を収めたのは記憶に新しい。その試合後、元北朝鮮代表の鄭大世氏は自身のX(旧ツイッター)に次の投稿をした。

「もちろん僕の立場では朝鮮代表が勝ったらそりゃ嬉しいですが、川崎Fの後輩の田中碧が決めてくれたからそれはそれで和んでます。12番と17番のラフプレイはマジいらないけど、全体的にマジで面白かったです。おめでとう御座います」

どんな想いでこの投稿をしたのか。本人に問うと、「北朝鮮代表がやっぱり強かった」との感想が返ってきた。

「その強さがフットボールの強さじゃないってところがまた面白くて。昔から変わってないなと。(北朝鮮代表は)選手が変わっても、短所と長所は変わらないと改めてそう思いました。前半は勿体なかったですが、後半になってからの勢いの変化。ここまでの力があるんだと示してくれたし、久々に見て格好いいと思いました」

日本側から見れば、その北朝鮮の勢いを3バックシステムへの変更で削ぎ落とところに「面白さがあった」と鄭大世氏は話していた。

投稿で気になったのは「(北朝鮮代表の)12番と17番のラフプレイはマジいらないけど」の部分である。鄭大世氏に言わせれば、北朝鮮代表は“ダーティー”ではない。

「みんな、先入観から入りますからね。北朝鮮代表は酷いみたいに言われる。で、槙野に聞いても同じことを言っていて。だから、槙野に聞いたんですよ。『マキさ、北朝鮮にラフプレーされたことある?』って。そうしたら、『確かに…』みたいな答が返ってくるんですよ。結局、それって先入観なんですよ」

しかし、今回の日本戦では「僕もびっくりするくらいのラフプレーがあって」と鄭大世氏は回顧する。

「(ラフプレーが酷かったのは)分析した結果、12番と17番だった。なんで行くのという場面でラフプレーをしていた」

ただ、鄭大世氏が主張したのは「12番と17番の結局は個人の問題」であって、チームとしてラフプレーをしているわけではないことである。

北朝鮮代表全員がラフプレーをするわけではない。

これこそ、鄭大世氏がどうしても伝えたかったことである。

構成●サッカーダイジェストTV編集部

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