可愛い顔してお騒がせ…漫画やアニメに登場する“女の子発明家キャラ”3選

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本日4月18日は、“発明の日”だ。その歴史は古く、日本産業発展の基礎を築いた「専売特許条例」(現:特許法)が1885年の今日、公布されたことを記念し、1954年に制定された。

さまざまな技術の発展により人々の暮らしをより便利にしてきた「発明」だが、漫画作品にもこれを得意とするキャラクターは多数登場し、奇抜な発明品で作品を大いに盛り上げてくれる。今回は、「発明」を得意とする個性豊かな女性キャラクターたちについて見ていこう。

■性格に難あり? 学園を裏から支える功労者…『僕のヒーローアカデミア』発目明

2014年より『週刊少年ジャンプ』(集英社)で連載が開始された、堀越耕平氏の『僕のヒーローアカデミア』は、多種多様な“個性”に目覚めたヒーローたちが、世界を脅かすヴィランたちを相手に活躍するバトル漫画である。

“個性”を活用した手に汗握る戦闘描写はもちろん、一癖も二癖もある個性的なキャラクターたちも本作品の見どころの一つ。なかでもさまざまな発明で仲間たちをサポートしてきたキャラといえば、雄英高校サポート科に所属する女子生徒・発目明だろう。

ドレッドヘアのようなピンク色の髪とゴーグルがトレードマークの発目は、とにかくなにかを発明することに余念がなく、暇さえあれば工房にこもり新たなメカを生み出している。

いわゆるオタク気質なキャラクターで、自分が生み出したメカを「ドッ可愛いベイビー」と呼び愛でているのだが、特筆すべきはその性格だろう。

彼女は自分のメカを生み出すだけでは飽き足らず、それを他者にアピールしたがるのだが、そのためであれば手段を選ばず、ときには他者を騙すことすらいとわない。

また、興味のあることには饒舌になる一方、まったく興味がないことにはいっさい耳を貸さないなど、オン・オフの切り替えが極端であり、その癖の強さから一部の仲間には良い印象を持たれていなかった。

しかし、発明品によって仲間たちを助けたいという思いは本物で、学校を保護するバリアを強化したり、破損したコスチュームを修復するなど、陰の功労者としてヒーローたちを支え続けた。

ちなみに彼女の“個性”は「ズーム」と呼ばれるもので、5km先までをはっきり見ることができる卓越した視力を誇る。身につけた“個性”が“発明”とは直接的な関係性を持たないのも、実に面白い点だろう。

■発明への熱意を宿した5人目の“運命の女性”…『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』薬膳楠莉

2020年より『週刊ヤングジャンプ』(集英社)にて連載中の『君のことが大大大大大好きな100人の彼女』は、原作・原案担当の中村力斗氏と、作画担当の野澤ゆき子氏のタッグが贈る恋愛コメディ作品である。

“運命の人”と出会い、幸せになることができなければ死んでしまう……というとんでもない運命を背負ってしまった主人公・愛城恋太郎が、次々に現れる100人の“運命の女性”を相手に奮闘していく。

そんな本作において5人目のヒロインとして登場するのが、さまざまな発明を披露した薬膳楠莉だ。お花の蜜大学附属高等学校の3年生で、化学部の部長も務めている生粋の理系少女である。

かなり幼い容姿をしているが、実はこれにも彼女の“発明”が深くかかわっている。なんと彼女は“不老不死の薬”を発明し自身に試しており、その副作用から肉体が変化し、8歳相当の肉体になってしまっていた。

発明するのはおもに薬品ばかりだが、作中に登場したものはどれもこれも常識外れの現象を起こすものばかり。“惚れ薬”なんてのは序の口で、“磁石人間になる薬”、“髪を操る薬”、“小さくなる薬”などなど……もはや“オーバーテクノロジー”とも呼べるとんでもない代物を生み出している。

ちなみに彼女の誕生日は4月18日で、まさに冒頭で触れた“発明の日”に設定されている。キャラ設定からその性格、生き方まで、なにからなにまで発明に染まり切ったキャラクターである。

■幼い体に天才的頭脳…はたしてその正体は? 『日常』はかせ

発明をするキャラといえば、いわゆる“博士”という肩書を持っていることも多いが、なかにはその称号がそのまま名前になってしまっているキャラクターも登場している。

2006年から『月刊少年エース』(KADOKAWA)で連載されたあらゐけいいち氏の『日常』に登場する少女・はかせこそ、その名の通り作中でさまざまな発明を披露した人物だ。

ぶかぶかの白衣を身に纏った8歳のはかせは、メインキャストの一人として活躍する女子高生ロボット・東雲なのを作り出した張本人。普段はなのや喋る黒猫・阪本とともに、“東雲研究所”で暮らしている。

容姿通り言動もかなり幼いものの、その頭脳はまさに天才。なのをはじめ、数々のとんでもない発明品を生み出している。

黒猫・阪本が喋れるようになったのも、彼女が生み出した“しゃべれる首輪”のおかげだったり、なの以外にも“ビスケット1号”、“ビスケット2号”と名付けられたロボットを作り上げてみせた。

愛くるしい見た目と天才的な頭脳が掛け合わされたキャラクターだが、一方でその素性については謎の部分が多く、なぜ一人で暮らしているのか、そもそも本名はなんなのか……と、意外とミステリアスな要素も多い。

ちなみに、とあるエピソードでは高校生に成長した彼女の姿を確認できるのだが、成長後もまだ「東雲はかせ」と呼ばれていることから、“はかせ”は呼称ではなく名前なのでは、という考察もあるようだ。

発明の腕前はもちろん、思わずその背景にも思いを巡らせてしまう、なんとも面白いキャラクターである。

漫画に登場する発明家キャラたちは、思いもよらぬ発明を披露し、物語のなかで活躍を見せてくれる。ときには主人公たちのサポートを、そしてときにはそのとんでもない効果で場をかき乱したりと、作品に欠かすことのできないエッセンスを与えてくれる存在だといえるだろう。

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