【U―23】中国監督に解任論浮上 長身GKをFW起用の奇策も10人の日本に完敗

熱狂的な中国サポーター(ロイター)

パリ五輪アジア最終予選を兼ねるU―23アジアカップ(カタール)の初戦でU―23日本代表に0―1と敗れたU―23中国代表のチェン・ヤオドン監督に解任論が浮上している。

日本は1―0とリードした前半17分にDF西尾隆矢(22=C大阪)が相手選手に左腕でヒジ打ちして一発退場。その後は1人少ない状況で劣勢の展開を強いられた。

中国は決定機を欠いて得点が入らないとみるや、終盤に2メートルと長身のGKユ・ジンヨンをFWとして投入する〝奇策〟に打って出た。日本の苦手なロングボールで高さを生かそうとの狙いだったが、まったくチャンスを作れないまま試合に敗れた。

中国メディア「捜狐」は「4年間の訓練の後にも進展がなかった。この水準で五輪の国家代表チーム監督をするのが恥ずかしくないのか? 同じ監督が長く国家代表チームを指導できるというのは中国サッカーの大きな悲劇だ」とチェン監督を猛批判。さらに「中国サッカーの利害関係が絡み合った暗い面だ」とチェン監督の人事は中国サッカー界の〝暗部〟と指摘。「ユ・ジンヨンは日本との試合でゴールキーパーグローブを着用して訓練した。なのに頭に自らこぶを作って笑い者になった」と糾弾した。

さらに同メディアは「ヤオドン監督は通りを通るネズミのようだ。誰もが彼を殴ると叫んでいる。ヤオドン監督のことをみんなが嫌いなネズミだと言っている」と批判の域を超えて罵詈雑言を並べて非難。「ヤオドン監督のこのような戦術はまた代表チームを傷つける可能性がある」として解任を主張しつつ「中国サッカーは本当に希望がない」と悲嘆に暮れた。

韓国メディア「エックススポーツ」はこうした様子を取り上げて「中国サッカーが、韓国戦を控えて監督の更迭議論になっている」と指摘した。

低迷する中国サッカー界。チェン監督の〝迷采配〟やU―23中国代表の試合ぶりは、その顕著な例と言えそうだ。

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