深夜に突然の強い揺れ「南海地震かと思うた」高知・宿毛市で震度6弱 ドキュメント

高知県内では初めてとなる震度6弱を観測した今回の地震。これまでを振り返ります。

(気象庁会見)
「南海トラフ地震の想定震源域の中で発生している地震です。ただ今回の地震は規模が南海トラフ地震の発生を検討する基準以下の地震と考えております。プレート内部の地震と考えております。これがプレートの境界で起きた地震ということになると少し様子が変わってくるのかもしれませんが、そもそもメカニズムからして違うものだと」

県は、発生直後からこれまでにあわせて3回、対策本部会議を開き、被害状況や今後の対応について共有しました。17日の午後行われた3回目の会議では、今後、被害状況の確認や罹災証明の発行について支援していく方針を確認しました。

(濵田省司 知事)
「(県民の皆さんには)とくに、2・3日、そして一週間、同規模の地震発生、土砂災害の危険性の高まりが想定されるので、皆さんには引き続き、油断なく、さらなる地震災害・土砂災害への備えに万全を期してもらいたい」

震度6弱を観測した宿毛市では、地震の揺れで住宅の瓦が落ちたほか、ガラスが割れたり、建物の塀や壁が崩れたりする被害が。一夜明け、片付けに追われました。

「これが前に倒れて、ここのガラスが全部割れて。粉々やけんよけい大変。南海地震かと思うた」

宿毛市内全ての小中学校は臨時休校に。その中学校の校舎にも被害が出ました。

(リポート:JNN取材団 米田健太郎)
「宿毛中学校の入り口にはこのように地面にひびが入っていて段差ができています」

ひび割れは渡り廊下にも。2メートルほどに渡って亀裂が入り、そばのコンクリートも割れていました。

(宿毛中学校 吉福巧 校長)
「子どもたちが帰っていない時間だったのでよかったが、子どもたちがいるときであれば心配する場面がいっぱいあった。一年生が入ったばっかりで連絡網が全部入ってきてなかったので、慌てて職員で連絡網の作成をしているところです」

また、宿毛市立坂本図書館では、昨夜の揺れで数千冊の本が本棚から落ちました。映像からは非常に横揺れが強かったことがわかります。

本棚ごと倒れているところもありました。図書館は臨時休館し、職員が片付け作業を行いました。

(坂本図書館 川村りささん)
「残念ですが開館のめどは立っていない。ですが図書館の職員だけでなく市役所の職員含め応援が来て一生懸命しているので、できるだけ早く開館したいと思います」

こちらの酒店でも。

「ひどかったんですよ血の海みたいになって、ワインが割れて」

「いきなりガガガガッて横揺れが来て、震度4ぐらいかと思った瞬間に急に太くなったんですよ。危ない、やばいと思って靴はいて外に飛び出るときにこちらの瓶がパリンパリン割れる音が聞こえたがそれところじゃないと思って」

割れずに済んだものも、ラベルが汚れて売り物にならないといいます。

「友達から夜中にラインとか来て『だめになったお酒は送って来い』って言ってくれてるんで助けてもらおうかなって」

手伝いや差し入れをしてくれた仲間もいます。

「人の温かみを感じました、この歳になって初めて」

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