変わりゆく広島の街 職場と自宅の近さで需要がアップ! 広島駅周辺のオフィスビル事情をプレゼン【アナたにプレゼン・テレビ派】

広島テレビのアナウンサーが、気になるテーマを自ら取材して、お伝えする『アナたにプレゼン』。今回プレゼンするのは、木村和美アナウンサー。「変わりゆく広島の街」と題して広島駅周辺のオフィスビル事情についてプレゼンします。

3月に発表された広島県内の2024年の地価は、駅前開発への期待感が表れていました。広島市南区にある福屋広島駅前店では、上昇率9.4%で広島県内で最も高い上昇率となりました。再開発への期待の大きさと、注目度の高さがわかります。

ここ数年の間に、広島駅周辺では多くのオフィスビルが完成、もしくは完成予定となっています。2019年に、広島テレビ本社横の「グラノード広島」、2022年に、広島駅の南側に「広島JPビル」、2025年には、広島駅北側の双葉の里地区に、オフィスビルを含む複合施設が完成予定です。この場所は元々国有地ですが、どのような経緯でオフィスビルの建設が始まったのでしょうか。

国有地だった土地は、2013年に家具販売大手「イケア・ジャパン」が店舗を建設する予定で落札しました。しかし、イケア・ジャパンは出店を見送り、2021年には不動産大手の住友不動産に売却されました。大和ハウス工業とそれぞれで複合施設を建設することが発表されました。

建設予定地の1.88ヘクタールのうち、西側のおよそ1.1ヘクタールは、大和ハウス工業が飲食店など商業施設を備えた地上10階建てのオフィスビルを2024年11月に完成予定で建設します。東側の0.8ヘクタールは、住友不動産がホテルやマンション、温浴施設などが入る34階建ての複合施設の建設を計画しており、2024年中に着工、2027年に完成予定とのことです。

広島駅周辺では再開発が進んでいますが、なぜこのエリアでオフィスビルが建設されるのでしょうか。不動産サービスのCBREによると、広島駅周辺エリアは、道路の幅が広く、郊外へも抜けやすい、また現在建設中の双葉山トンネルが完成すると、アクセスが非常に良くなるという点から、広域に営業をしたい企業にとって、便利な場所だそうです。さらに、新幹線やJR、市内電車にバスなど公共交通機関も充実しているため、山口県や岡山県など近隣の県の人も通勤が可能となり、企業としても広域な募集求人をすることができるということです。広島駅南側のJPビルには、IT企業が多く入っています。システム構築のエンジニアの求人募集が広島県内だけではなく、近隣の県も対象になっているそうです。新幹線での通勤も視野に入れている場合、広島駅周辺エリアは適しているいうことでした。

広島といえば、都市のコンパクトさが魅力の1つです。また、特徴として広島都心部という地域に関して、職場と住居が近いという点です。コロナを経てリモートワークが普及し、オフィスが不要になるのではないかと想定されたこともありました。しかし、職場と住居が近い広島都心部のエリアだからこそ、働く時間と家庭での時間のメリハリをつけることができる職場のほうが、仕事がしやすいという流れになってきているそうです。そして、従業員たちの職場環境の改善や愛社度を上げるために、見栄えや立地が良く、きれいなオフィスの需要が、今上がっているということです。今後、どのような企業が新たなビルに入るのかも注目の1つです。

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