来年2月末で閉店が決まっている松本パルコ。
実はあるものがモチーフになっていたんですが、ご存じでしたか?
松本と言えばコレですよね!
あと10か月余りで閉店する松本パルコ。
その後利用にも注目が集まっていますが、ここにはほかにも注目すべきことがあったのです。
松本パルコの南側から眺めると…
一部がピラミッドの先端のようにすぼまっています。
【松本市民】
Q.何かをイメージして建てられているか?
「え~ なんですか~」
「え~ 何に見えるの」
「山かアルプスか」
「わかった。船」
パルコによりますと、デザインのモチーフになったのが…
こちら!国宝松本城!
松本パルコのこの部分はそびえる天守をイメージしているというのです。
5重6階と言われる松本城。
松本城の各層にある白い部分も、松本パルコは再現しています。
【松本市民】
「おっ!松本城。黒くないのにね」
「黒くすればわかるかもしれないね。でも黒いとちょっとパルコさんのイメージと違うからね」
松本パルコは1984年=昭和59年にもともとあった百貨店「はやしや」の建物を増築して開業しました。
【松本パルコ 斉藤博一店長】
「社内でオフィシャル(公式)な資料はなくて、担当者から聞き伝えで外観が松本城がモチーフになっていると聞きました」
この建物には、他にも松本城にまつわる場所が…
【松本パルコ 斉藤博一店長】
「こちらに池がございます」
「松本城のお堀をイメージしてこちらに池を設けております」
花時計公園から向かって右側、レストラン「5HORN Dining」に面した地上部分でコイが泳ぐ池が「お堀」です。
開業当初はほかにも噴水を備えた池があり、「石垣」をイメージした石も使われていたそうですが、1996年の伊勢町通り側の新館を建設した時につぶされたそうです。
【松本パルコ 斉藤博一店長】
「パルコが松本をリスペクト(尊敬)しながら、松本でオープンしたということを皆さんにも知っていただいて、そういう目で松本パルコの公園側からの外観を見ていただければ、またちょっと違った思いでご覧いただけるかと思います」
主に若者をターゲットとし、最新ファッションを“売り”にしてきた松本パルコ。
それに対して、シニアのファッションを支えてきたのがパルコから北西に歩いて3分ほどのところにある「コタケ」です。
パルコとコタケはこの40年間、松本のファッションを支え、共に歩みを進めてきました。
【コタケ 小竹愛子さん】
「こっちの方がぜんぜん安い」
「きょうは年金の日だでね」
看板娘は90歳の小竹愛子さん。
愛子さんは先代の妻で66年にわたって、店で客を迎えています。
この日、店内に並んだのは焼きたてのパン。
松本市内のおひさまベーカリーから仕入れました。
買い物を楽しんでほしい。
人気の“かすり”のバックなども店頭に並べて「コタケ春のマルシェ」を開催です。
【客は】
「いろいろ種類があるんですよ。紳士物も婦人物もね。それなりの値頃 庶民にはとっても買いやすいし」
腕を組むのもお互いを支えあうさりげないやさしさです。
そして何よりの楽しみはおしゃべり。
コタケは70年前の1954年=昭和29年。
今よりも少し駅に近い「新伊勢町」に創業しました。
女鳥羽川沿いのこの店は2号店を建て替えた後に再オープンした4つ目の店。
愛子さんは先代とともに人と人との和、人情を大切にして店を切り盛りしてきました。
【コタケ 小竹愛子さん】
「ああ懐かしい。私生きてる化石みたいなもんだけど 生きてるもんだって懐かしいもん。昔は良かったってよく言うけどそういうことばっかりは言ってられない」
時代とともに、移り変わる街の姿。
【コタケ 小竹愛子さん】
「もう昔のこと忘れちゃうくらい変わってますよね」
「ここ、あっこからここまで歩けばずっと用が足りましたもん。八百屋さんがあってお肉屋さんがあって」
松本ぼんぼんやあめ市など中心市街地を盛り上げるイベントにも関わってきたコタケやパルコ。
愛子さんはパルコが撤退したあとも中心市街地のシンボルとしての役目を期待しています。
【コタケ 小竹愛子さん】
「Q.はやしやがあったところがパルコになってまた新しいものにって言う期待ですか」
「そうですね。だんだんと良くなっていくじゃないですか。団塊の世代の方が今ここに大勢いるんですよね。その人たちが昔の様に活気をもって集まってくれる場所があると私どももうれしい」
松本のファッションをリードしてきた松本パルコの存在。
この街の姿もあと10か月余りに迫っています。