議場での拍手「つかの間の夢」 首相、衆院で訪米報告 ジョークを野党は批判「自分の責任」

岸田文雄首相(資料写真)

 岸田文雄首相は18日、衆院本会議場で訪米の報告を行った。米連邦議会上下両院合同会議で飛ばした「日本の国会ですてきな拍手を受けることはまずない」とのジョークを巡り、野党は「自分の責任」(立憲民主党の源馬謙太郎氏)と批判。拍手ならぬ怒号が飛び交う議場のさまは訪米での人気が「つかの間の夢だった」(自民党幹部)という現実をさらした。

 源馬氏は会談を「リーダーが代わっても日米関係は強固と確認できたことだ」と首相退陣への期待と皮肉を交えて評価。「日本国民は米国と共にある」などとした演説内容を巡っては「本来は国会で国民へ説明してから話すことではないか」と疑問を投げかけた。

 「すてきな拍手」については「拍手をもらえないのは自身が課題に真摯(しんし)に向き合わないからだ」と指摘。自民の裏金事件を巡る同党としての政治改革案を今月中に出すように迫った。首相の「可能な限り早期に示す」との時期を示さぬ普段の答弁の繰り返しに野党からは「なめてんのか!」などと怒号。国民民主党の玉木雄一郎代表からは「訪米の時のように日本の国会でも堂々と話してほしい」と苦言を呈された。

 日本維新の会の三木圭恵氏は日米の防衛連携強化の実効性担保には改憲が必要との党是に照らし「首相任期中に改憲のめどが立たないなら解散を打つべきだ。維新は受けて立つ」などと挑発。共産党の志位和夫議長は「共同声明では『アップグレード』との表現で日米同盟始まって以来の連携をうたったが米国に指揮権を渡すことと同義ではないか。平和憲法を逸脱している」と批判した。しかし首相は「現行憲法下でも声明にある連携は可能だ」などと取り合わなかった。

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