「スタイルは似てきた。しかし伝統的に…」ACL取材の韓国人記者が日韓の違いを激白! 三笘薫&ソン・フンミンらスター比較も

4月17日に開催されたアジア・チャンピオンズリーグの準決勝・第1戦で、蔚山現代と横浜F・マリノスが蔚山文殊フットボールスタジアムで激突。ホームの前者が19分にイ・ドンギョンが奪ったゴールで、1-0で先勝した。

この一戦を現地取材した際、記者会見場ともなったプレスルームで、韓国記者陣とちょっとした交流する機会があった。

そのうちの1人が『SPORTS SOUL』で健筆を振るうキム・ヨンイル氏だ。折角の機会なので、ちょっとしたインタビューをお願いすると、物腰柔らかな同氏は快く引き受け、「Come on」と静かな場所に案内してくれた。

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蔚山では現在、日本代表歴もある江坂任がプレー。加入1年目の2022年に9ゴールをマークし、同クラブの17年ぶりのリーグ優勝に大きく貢献するも、同年オフに全北現代に移籍した天野純(現横浜)と入れ替わる形で、韓国屈指の強豪に加入した。

2年目の今季は、Kリーグ開幕戦でいきなり決勝点となるゴールを奪うも、数試合後に負傷離脱。横浜戦で1か月ぶりにベンチ入りしたものの、出番は訪れなかった。

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キム記者は、新たな日本人MFのここまでのパフォーマンスをどう見ているのか。

「ジュン・アマノが去って、やっぱり期待が大きかったなかで、最初は少し適応に時間が必要だった。今はホン・ミョンボ監督がアマノ以上に信じている選手だ。パスコースを探すのが上手い。アマノは蔚山のファンにとっては惜しい選手になったが、得点やアシストの攻撃ポイントを上手く稼ぎ出せる選手だ」

話を広げ、日本と韓国でのサッカースタイルの違いも質問。興味深い答えが返ってきた。

「過去の日本サッカーは、小柄でパスが上手だと認識していたが、今は闘争心を備えている。一方、韓国サッカーはもとより闘志と根性が強かったが、今やビルドアップやパス戦術に重点を置く。今、韓国と日本のサッカーは全体的にスタイルが似てきた。しかし伝統的に韓国はストライカー、日本はミッドフィルダーに優れた選手が多い」

ちなみにお気に入りの日本人選手は「ミトマ(三笘薫)。ドリブラーで、優れたパサーでもある。良いアイデアを持っている」とのこと。

それを受けて自分が、同じプレミアリーグで活躍するソン・フンミンの名を出すと、「スタイルが違う。ソニーはスピードがあるスコアラーだ。ミトマは非常に優れたドリブラーで良いアシストやパスをし、スペースを作る」と適切に解説してくれた。

およそ5分の短いインタビューだったが、中身の濃いものとなった。またどこかで顔を合わす機会があれば、今度はさらにテーマを広げ、じっくりと話を訊いてみたい。

取材・文●有園僚真(サッカーダイジェストWeb編集部)

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