イングランドサッカー協会(FA)は、来シーズンよりFAカップの再試合を全面的に廃止することを決定した。イギリス『BBC』電子版など各メディアが報じている。
世界最古のトーナメント戦として知られるFAカップは、ホーム&アウェイの対戦ではなく、一発勝負の戦いとなる。引き分けの場合は延長戦に進まず、ホームとアウェーを入れ替えて後日対戦する“リプレイ”が伝統となっている。
現行のFAカップの大会形式は、5回戦以降の再試合を行っていないが、来シーズンより1回戦から全面的に再試合を廃止するという。
この変更はFAとプレミアリーグの間で新たに結ばれた契約の一環として行われ、FAは「UEFAの大会拡大による日程を考慮」し、より早い段階での再試合の廃止を決めたようだ。
4回戦、5回戦、準々決勝はすべて週末に開催され、同日にプレミアリーグの試合を開催しないことも決定。決勝戦はプレミアリーグ第37節が行われる週の土曜日に開催される予定だ。
これらのスケジュール変更により、近年プレミアリーグで採用されていた1月初旬から中旬にかけての中断期間も無くなり、代わりに今年開催されるUEFA EURO 2024 から新シーズン開幕までの期間が長くなるようだ。
FAの最高経営責任者であるマーク・ブリンガム氏は「FAカップは我々の最大の資産」としつつ、「この新しい合意はFAカップを強化し、ますます忙しくなるスケジュールの中で、週末を彩る素晴らしいものになるだろう」と大会形式の変更に関して見解を述べている。
またFAとプレミアリーグが結んだ契約には、プレミアリーグがグラスルーツへの資金提供を増額することが含まれており、ブリンガム氏は以下のように続けた。
「我々はグラスルーツのサッカー、障害者サッカー、女子サッカーへの新たな資金提供にも合意した。すべてのサッカーはグラスルーツから始まる。プレミアリーグはこれを認め、歓迎すべき追加資金援助を行っていく」